(玖)守りたいもの ページ14
よく見たらこの鬼、目に文字が刻まれてる
……上弦、参?
なんだそれ。鬼ってみんなあんな目なの?
そういやまだ一度も自分の姿を見ていなかったなぁ……うん、生き残れたら一番に確認しよう
『おい、随分余裕そうだな?
上弦であるおれに 人間を喰ってすらいないお前が勝てるとでも?』
──それとももう諦めたか?
うーん “人間を喰ってない”、か。やっぱり喰った数がそのまま強さになる訳だ
───ってことは残念ながら私に勝機はない
けど
「お前を倒す事なんてどうでもいいんだ」
私の目的は、たぶん、この後ろの青年を守りきることだけだろうし
……とまぁそんな意味で軽く言っただけなんだけど
相手はどうやら違うように捉えたらしい
一瞬ポカンとした後すぐにカッと目をつり上がらせ恐ろしいほどの殺気をぶつけてきた
(ヤバいッ!)
直感だった
バッと前方に腕を交差させ身を守るが
「ぅあッ!?」
拳をまともに受けた腕の骨がボキボキッと嫌な音を立てて砕ける
(なんなんだこの威力!?──クソッ!
これじゃ再生するのが間に合わない!!)
次々と繰り出される攻撃の速さについていくのが限界で反撃する隙が見つけられない
相手の動きに必死に食らいついていると
後方から僅かに動く気配。
「──ッ!キミは動くな!!血が止まってないだろう!?
今自分のすべきことをはき違えるな!!!」
捲し立てるように怒鳴った後、急いで集中し直すが
(ん?……構えが変わった?
──ッ!!デカいのが来る!)
───咄嗟に衝撃に耐えようと地面を踏みしめるが、
クラッ と体がふらついた
闘いに集中するあまり紫苑は気づいていなかった
腕がもげ、腹が抉れ、その度に幾度となく再生し続けたことによる体の限界が近づいていることに
バランスを崩した体に襲いかかる強烈な一撃は
私の半身を易々と吹き飛ばす
─────────プツン、と
私の内側から何かが切れる音が聞こえた気がした
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心(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年8月14日 15時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
槐(プロフ) - しお。さん» そうですね、蜘蛛山を(主に戦闘シーンを)書ける気がしなかったので順番を変えさせていただきました。わかりづらくてスミマセン (2019年8月13日 3時) (レス) id: 3f852bffb3 (このIDを非表示/違反報告)
しお。(プロフ) - 炭治郎と柱が会う前に煉獄と猗窩座が戦う設定なのですか? (2019年8月13日 2時) (レス) id: 73602697de (このIDを非表示/違反報告)
槐(プロフ) - 銀狐的なさん» ありゃりゃ……また間違えてましたか。すいません、ご指摘ありがとうございます!一応全部見返したのですが1ヶ所しか見つけられませんでした。そこで合ってますかね?(私の目が節穴でないことを祈る)…………そろそろ続き書きます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 3f852bffb3 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - すごく面白い!あと、「鬼血術」じゃなくて、「血鬼術」だと思います。更新頑張れ!応援してる! (2019年8月12日 20時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤い金魚草 | 作成日時:2019年5月25日 0時