*はじめての 3【煉獄杏寿郎】

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数日後




今日は大規模な宴(通称決起会)があり
鬼殺隊の隊士が全員集結する貴重な日。

この宴はこれまでの功績を称え皆で酒食を楽しむ場だ！

と煉獄さんが言っていた。

しかし＿＿＿＿






「....むう」

煉獄さんはとても不機嫌な様子。

これには理由があった。




＊＊＊



数日前

隊士に告白され、丁重にお断りすると

Aさんは
どんな男性がタイプなんですかと聞かれた。

「情熱的な人」
なんて答えたら怪しまれてしまうので

「クールでミステリアスな人」
と答えておいた。


すると


私は冨岡さんが好きなのではないかと噂が流れ
その噂は煉獄さんの耳にも入ってしまい現在に至る。



＊＊＊



「本当にすみませんでした...。
私は蝶屋敷で支度をして来ますね」

「.....うむ」




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蝶屋敷に戻り身なりを整え
煉獄邸に向かう。




「遅くなってすみません、お待たせしました！」





煉獄さんは私を見るなり驚いた様子でガシッと肩を掴んできた。

「む？！なぜ髪を下ろしているんだ？！」

私は普段、訓練の邪魔にならないよう髪を一つにまとめていた。

滅多に髪を下ろさないのでびっくりさせてしまったらしい。

「変、でしょうか...」





「...いや、寧ろ...に、似合っている...しかしか...しかし、髪が長いな、....き、綺麗だ...、では向かおう」


煉獄さんはスタスタと歩いて行ってしまった。




小走りで追いかけると煉獄さんが突然止まり
思いっきり背中に顔をぶつけてしまった。

「....いたた...急に止まらないで下さい」

「す、すまない」

私に背を向けたまま再び歩き出す煉獄さん。

何故ずっと背を向けているんだろう。

なんてことを考えていると
煉獄さんが足を止めてゆっくりと振り返ってきた。

「...........？」

煉獄さんの目を見るとすぐに逸らされてしまい
落ち着きがない様子。

首を傾けて下から覗きこむように視線を合わせる。

「煉獄さん？」

「.....ッッッ、し、しかしあれだな
今日は、つ、月が綺麗だな！君もそう思わないか！」


「月....ですか？」


月なんてどこにも出ていませんが....

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