今日も彼女は想うだけ【煉獄杏寿郎】

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少し月日は流れ、七月

あと数日で夏休みということもあって

クラスがその話題で賑わう中


「ホームルームを始めるぞ！！」

「今日は夏休みの注意事項と課題を──」


先生が教壇に立つ。






相変わらず朝から元気いっぱい。



「みんな夏休み俺に会えなくて寂しいだろう！」

「俺は寂しい！！！！！」

「よし！景気づけに朝一の騎馬戦でもするか！！」



なんて言っている。

冗談の日もあれば
本当に騎馬戦が始まる日もある。

こんな先生を見ていると
眠いと感じる朝も一限が苦手な英語でも
週明けでも頑張ろうって気持ちになれる。

担任が先生で良かったなぁと
しみじみ実感していると



「では今から出席を取るぞ！！」

「今日も先生に負けないくらい
大きな声で返事をするように！！」



毎回恒例のアレが始まった。



「青木！！！！！」

「はい！」

「声が小さいぞ！やり直し！」

「はい！！」

「青木の本気はそんなものか！！！」


そう、出席確認。


最初の頃はこの出席確認が嫌で
学校に来たくないと言い出す生徒もいたけど
先生が根気強く繰り返した事で
今では拒否する生徒もほぼいなくなった。


むしろみんな楽しんでいる。


「乙葉！！！！」

「は、はい！！！！！」


私はいつもできる限り大きな声で返事をする。
何度もやり直しをする方が恥ずかしい。


「胡蝶！！！！」

「はい」


しのぶちゃんは相変わらずこの調子。
やり直しって言われても無視するから
先生の方が諦めたみたい。


SHRが終わり一限の準備をしていると


「夏休み彼の家にお泊まりする事になりましたー！」
「えっやば！ついに！」
「花火大会浴衣で行く？」
「もち！」


なんて会話が聞こえてきて
羨ましくて少し泣きそうになる。

先生に会えない夏休みは地獄でしかない。

色々調べたけど基本的に
生徒と教師の連絡先交換はダメみたい。

高校三年、青春ど真ん中、夏

周りのみんながきゃっきゃする中で
私は一人寂しく受験勉強か····



「ため息なんてついてどうしましたか？」

「あっ、ううんなんでもない！」



そんなこんなで今日も屋上階段に行く。



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