今日も彼女は想うだけ【煉獄杏寿郎】

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「…ち、ちなみにその女性とはジムでしか会っていないんですか？」

「うむ！」

「きっとそれも原因のひとつです！！次はご飯に誘ってみたらどうですか？」

「なるほど！それは思いつかなかった！」


そうと決まれば連絡しましょう！と、やけに張り切っている乙葉。
ベッドの上から身を乗り出して、早く早くと催促してくるので、言われるがままにスマホを鞄から取り出す。


画面を見てしばらく固まる。


「………」


────そもそも俺は連絡先を知らないのである


そんな俺に彼女はクスクスと笑いだした。


「そんなに笑わなくてもいいだろう！」

「ふふ、すみません、おかしくて」


如何しようも無いの一言に尽きる。







「煉獄先生は本当に不器用な人ですね」

「まぁこれでは振られるのも無理はないな！」



そう言って彼女に視線を向けると




───そんな不器用な煉獄先生が私は好きですけどね



なんて小っ恥ずかしい事をさらりと言ってくるので、なんて返したらいいのか分からずに俺は彼女から視線を逸らした。

こんな優しい彼女との時間はとても心地いい。





「君はいないのか？好きな男とか」


「………」








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「い、一応います」







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“ 想うだけですけど ”




その言葉の意味を理解しようと頭を回転させるがあまりよく分からなかったので、それはどういう事なのか？と問いかけると



「ふふ、秘密です」




そう言って、キミはふわりと笑った。



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