逃がさないと言われましても 2【煉獄杏寿郎】

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抵抗してもすぐに強い力で押さえつけられてしまい、それは逃がさない、と全身で訴えるような拘束だった。


「まだ抵抗するのか」



はあ、とため息をつく炎柱様の表情はとても優しくて、涙がとまらなくなる。






「·······ん」


ぺろりと涙をなめとられる。咄嗟に手のひらを炎柱様の口に押し付けると、そのまま指を絡めるように繋がれ、顔の横に固定された。





「これが最後だ。だから今から言うことをよく聞きなさい」


「·····さいご？」


「ああ」




沈黙が続き、胸が張り裂けそうななか炎柱様に視線を向ける。熱のせいなのか、なんなのか、いつもの余裕そうな表情は一切なくて、少し瞳が揺れているようにも見えた。



「あの」
「俺は」



不意に声が重なり、再び口を閉じる。

なんですかと首を横に傾けると炎柱様が少しそわそわしだした。






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「俺は君にずっと嘘をついていた」


「·······」



「俺が恋人を作らない理由は、過去に交際していた女性をずっと引きずっていたからだ」


「······」






「だからと言って君を傷つけていい理由にはならない。それは重々反省した。

沢山泣かせてしまって本当にすまなかった、だが」

「もう····いいんです、」


「人の話は最後まで聞きなさい」



両手のひらで顔を包みこまれる。
目を逸らすなと言われてるかのような熱い視線と、手から伝わる優しい温もりに未だかつてないほど私の心臓はうるさくなっている。




「これ以上何を···話すことがあるんです」


「俺はまだ一番大事な事を伝えていない」


「·······」





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「何度も君を泣かせてしまったが

これからは俺の生涯をかけて必ず君を幸せにすると約束する。

もう絶対に君を傷つけたりはしない。

……だから頼む、俺のそばにいてくれないか」



「…………っ」









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「──君が好きだ」



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