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「………ひぇ」
くつくつと笑っていたら、地を這うような低い声が上から降ってきた。私はびくりと身を強ばらせ、瞬時に顔を引き締める。
炎柱様の額にはぴしりと青筋が立っているが、怒りのようなものは感じられず、息苦しそうにじっと何かに耐えているようだった。
「お、お水、とって、きます」
「いらん、君はここにいろと言っただろう」
「…でも……苦しそうです」
隊服の胸元をゆるめ、は、と吐息を吐き出す炎柱様の指先が、頬から耳、そして首筋へと移動する。
そっちに気をとられているうちに、もう片方の手でぎゅっと指を絡めとられた。
ここでようやく自分の置かれた状況を察するが、まずいと思った時には首筋に唇を押し付けられていて
「っ……」
「嫌なら逃げろ」
言葉とは裏腹に繋がれた手が強く握り直された。
あまりにも突然すぎてどうしたらいいのか分からない、けど、逃げた方がいい。それは確かだ。このままじゃ、
「A」
そうこう考えているうちに耳に直接囁かれ、この間よりも一段と甘さを孕んだ炎柱様の声が鼓膜に響く。
思わず足をじたばたさせると、そのまま耳を舐めとられた。
「……ん、っ…」
聞いたことのない水音が鼓膜に響く中で、溶かすようにじっくりと耳の裏まで舌が這わされ、ぞわぞわとした震えが、背骨を通って頭を抜ける。
不意に目からぽろっと涙が零れ落ちたがそれすら炎柱様の餌食となった。
「…ん、なんだ」
私は意を決して炎柱様の肩をぐうで叩く。
怒らせたら後がないため、威力は猫パンチ。
「こ、これ以上、し、たら、怒り、ます！」
「そうか、じゃあ今日のところは君に怒られるとする」
「…っ…ゃ」
言葉の意味を理解するよりも早く炎柱様に耳をカプっと甘噛みされる。
ぐいぐいと胸板を押し返してもビクともしなくて、私はこうなれば仕方ない、と息を呑み込んだ。
こうなったら私が本気で怒ったらどれだけ恐ろしいか思い知らせてやる！
「もう一度いいますが……うぎゃぁ」
そう思った矢先、強引に抱き起こされて、ぎゅうと後ろから抱きすくめられてしまった。
何たる、既視感。
「A」
「っ……んっ……う」
好き、可愛い、君は俺のもの。
そんな言葉をしばらくの間耳に囁かれ、舐めとられ、吸われ、噛まれ、私の意識はどこかに飛んでいくのだった。
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もち(プロフ) - さゆさん» さゆさん、はじめまして！読んでいただきありがとうございます！裏はパスワードではなくマイページ→設定→コンテンツの設定(18歳以上ですか？にチェック)をしてもらえると私の作品一覧に出てきます！よろしくお願いします！ (2023年4月1日 23時) (
レス) id: c7f5481e11 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - はじめまして！キュンキュンしながら読ませて頂いてます！裏ページを読みたいのですが、パスワードが分からず辿り着けません。どうすれば読めるのでしょうか？宜しくお願いします！ (2023年4月1日 23時) (レス) id: 2c44582f68 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - まっひーさん» まっひーさん！！コメントありがとうございます！嬉しいです！もちもSな煉獄さんが大好きでしてﾌﾌﾌ(´^∀^｀)ﾌﾌ (2021年12月22日 11時) (レス) id: 825ae5ee71 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - うひゃぁ〜！煉獄さんかっこいい！！ (2021年12月21日 20時) (レス) @page43 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - 衣世さん» 炎柱様の衣世さん！最後まで読んでいただきありがとうございます！！実にいい響きですね( ｰ̀∀ｰ́ )ニヤニヤしちゃいますw後日談の更新も頑張ります〜！！ (2021年12月17日 14時) (レス) id: 825ae5ee71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もち
| 作成日時：2021年10月5日 10時
