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料亭を飛び出して街に出れば、深い闇夜が広がっていた。どこからともなく鳴り渡る断末魔と血の匂いから、おそらく鬼は複数いると推定する。
私はゆっくりと深呼吸をしたのち、刀を強く握りしめながら周囲を探る。
「……あの」
「ひぃっ」
そんな中、背後から声がして咄嗟に振り返ると、着物に身を包んだ女性が怯えたような表情で私を見ていた。
衣類には無数の血痕がついていて、顔色もかなり悪い。どこか怪我をしているのだろうか。
「だ、大丈夫ですか」
「………」
「どこか怪我を、」
そう言いかけた時だった。
突然誰かに突き飛ばされ強い衝撃と共に地面に倒れ込んでしまった。
「君は鬼と人の区別すらつかないのか」
氷点下、凍てつくような低い声で言って容赦なく女性──鬼の首を跳ねる炎柱様。
思わず目をぱちくりさせていると、刀を鞘に納めた炎柱様が私の前にしゃがみこんできた。
「いいかA。おそらく鬼はあと二匹いる。俺は民家の中を探るから君は住民を守りながらこの辺りを警戒してくれ」
「………」
「鬼自体は大した事はないと思うが、どんな血鬼術を使ってくるかは分からない。遭遇した際は必ず鬼から距離を取り、まずは相手の能力を見極めることだ。殺れるな？」
「は、はい」
有無を言わせない壮大な圧に無意識に声が出る。
炎柱様は私の頭に手を置くと「いい子だ」と優しく目を細めて、瞬きする間に姿を消した。
◇◆◇◆
気を取り直して、私は住民の様子を見ながらおそるおそる足を踏み出した。空を見上げれば金色の光を放つ満月が煌びやかに光っている。
───君は鬼と人の区別すらつかないのか
分からなかった。だってどこからどうみても人間だったし、殺気のようなものも感じなかった。
私に察知する能力がないだけなんだろうけど、あんな鬼がそこら中に現れたらたまったもんじゃない。
…………ああ、もしかすると
私の父もあのような血鬼術に油断したのだろうか。
剣士でないとはいえ、父は常に刀を持ち歩いていたし、それなりに刀だって振るえていた。
「―――――」
……！！
そんな中、再び聞こえた悲鳴に振り返ると
鬼が子供の首を締めている光景が目に飛び込んできた。
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もち(プロフ) - さゆさん» さゆさん、はじめまして！読んでいただきありがとうございます！裏はパスワードではなくマイページ→設定→コンテンツの設定(18歳以上ですか？にチェック)をしてもらえると私の作品一覧に出てきます！よろしくお願いします！ (2023年4月1日 23時) (
レス) id: c7f5481e11 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - はじめまして！キュンキュンしながら読ませて頂いてます！裏ページを読みたいのですが、パスワードが分からず辿り着けません。どうすれば読めるのでしょうか？宜しくお願いします！ (2023年4月1日 23時) (レス) id: 2c44582f68 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - まっひーさん» まっひーさん！！コメントありがとうございます！嬉しいです！もちもSな煉獄さんが大好きでしてﾌﾌﾌ(´^∀^｀)ﾌﾌ (2021年12月22日 11時) (レス) id: 825ae5ee71 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - うひゃぁ〜！煉獄さんかっこいい！！ (2021年12月21日 20時) (レス) @page43 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - 衣世さん» 炎柱様の衣世さん！最後まで読んでいただきありがとうございます！！実にいい響きですね( ｰ̀∀ｰ́ )ニヤニヤしちゃいますw後日談の更新も頑張ります〜！！ (2021年12月17日 14時) (レス) id: 825ae5ee71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もち
| 作成日時：2021年10月5日 10時
