深呼吸 66回目 ページ28
「死んじゃダメっスよ!!」
『…うっせえ。』
士傑の台風坊や
――――――
ビルの最上階から逃げてきたのは良いものの、どうしたものか着地方法が思い浮かばない。俺の身体が風を切って落ちていく音だけが身体に染み渡る。あー、涼しー。
地面がどんどん迫ってきて、そろそろ着地の事考えないとマジで死ぬかもと冷や汗を垂らし始めた時だった。突然地面の方から勢いよく風が吹き上げてくる音が聞こえる。
『…ｯえ!?』
ぶわっと下から吹き上げてくる強風に俺の身体が乗せられ、ふわりと地面に落ちる直前で浮き上がった。俺は思い切り瞑っていた目をゆっくり開けると同時に肩と足に感じた違和感。
「死んじゃダメっスよ!!」
『…うっせえ。』
これはアレだ、世間一般でいう“お姫様抱っこ”と言うやつだ。男が男にこれやられるってどうなの?色んな意味で死にたいんだけど。てか待ってこいつ俺にボール当てる気じゃないだろうな。
「別にターゲット狙ってるわけじゃないっすよ!俺もう合格したんで安心してください!!」
『え、もう合格??』
「はい!アナウンスかかったんスけど、聞いてませんでした?」
『あー言われてみれば聞いた気がしたかも…まあ合格したなら良いや。助けてくれてありがとね。』
さて次の受験者を探して俺も早く合格せねばと意気込み、夜嵐の腕から抜け出そうともがくが一向に抜け出せる気配がない。
『おい何してんだ離せ、俺はまだ1人残ってんだけど。』
「俺あなたと仲良くなりたいっス!!」
『…分かったから取り敢えず下ろして、俺が落ちても良いわけ??』
「あ!そうでした!すんませんっス!」
夜嵐はデカい声で謝り、俺をそのゴツい腕のコスチュームから解放させた。巨大ロボに掴まれるお姫様ってこんなに窮屈な思いをしていたんだ、なんて呑気なことを考えながら地面に降りる。
「早く合格してくださいね!控室で待ってるっス!!」
『ねえ分かったから声デカいんだって、他の受験者に見つかるから早く控室行けよ。』
「はい!じゃあ待ってますんで!頑張ってくださいねー!!」
『…やっと去ってくれた。』
しかしホッとしたのも束の間、物陰から微かに聞こえた足音で俺の意識は一気に現実へと引き戻された。
『勘弁してよ…。』
外はまだ専門外なんだってば!
――――――
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狐猫音。(プロフ) - 林さん» どんなふうに進んでも面白いのでやっぱり作者様が進めたいようにするべきですよね！家族愛が深いって羨ましいなあ。読んでて微笑ましくなりました。これからも頑張ってください。 (2018年10月16日 16時) (
レス) id: 1402817ddd (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 黒猫さん» 嬉しいコメント有難うございます^^いつか絶対番外編作るマンです! (2018年10月16日 3時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 家族愛でもBLでも良き(*´ω｀*) (2018年10月16日 0時) (レス) id: 77336b66d1 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 狐猫音。さん» 貴重なご意見ありがとうございます。しかし元のストーリーは維持して進めていきたいので、他の生徒には補習があったという追加設定のまま進めさせて頂きます! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
狐猫音。(プロフ) - もういっそのこと仮免終わった設定にするとかどうでしょう。更新頑張ってくださいねq(^-^q)応援します。q(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2018年10月15日 22時) (レス) id: cef4739b2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年10月13日 15時
