その探偵社員は最強也【文スト】【呪術廻戦】

第五話 ページ7

視点なし

重苦しい空気が流れる。
隣では父様が眉を寄せて正座をしている。

「遅いぞ、五条の奴は何をしている」

一人の上層部が声を上げる。
耳障りな腐った蜜柑共め、と云いたい所だが今回だけは同意だ。

その瞬間、呪術高専東京高に繋がる扉が開き、五条の坊が現れる。

五条「やぁやぁ、皆さん、ご無沙汰です」

その言葉にイラッとくる。
此奴は何処まで行っても阿保だ。

「では、これより宿儺の器についての会議を行う。

五条よ、説明せぃ」

一人の重役の言葉に、五条は口を開く。
苛々とする言葉が多かった為、要約すれば、

一人の生徒に宿儺の指を回収に行かせた所、生徒が指を見つけてそれを持ち歩いていた。

夜、学校でその生徒が指の封印を解き学校内に呪霊が溢れかえった。

呪術師の生徒も、封印を解いた生徒も、器の生徒も危険に晒され、仕方なく器が指を喰った。

指を喰ったのが虎杖悠仁。

宿儺の器と云うことだ。

隆也「なら何故生かす必要がある。
再び宿儺を復活させてみよ、何千人もの死者が出るぞ。」

父様が声を上げる。
あくまで自分達の心配ではなく、死する者を案じた言葉。

落ち着くなぁ。

「そうだ、宿儺の器は直ぐに殺すのじゃ！」

「生かしておいて、損はあれど得は無い！」

五月蝿いなぁ、お前らが臆病なだけだろ、老害爺どもが。

その瞬間、五条の口元が上がる。

嫌な予感…

五条「得がない？…今しか見えてない老ぼれが何を云ってるんですか？」

隆也「ならば、その未来とやらの話をして見せろ。」

父様、駄目です。
これ以上此奴を喋らせないでください。

その言葉も、圧によって掻き消される。

五条「……虎杖悠仁、彼を、宿儺の指全部を喰わせて死刑にすればいい。

そしたら、将来宿儺による被害は無くなる。

……そんなこともわからないの？
四月一日 隆也」

これ以上、此奴を喋らせるな。
四月一日家を、父様を穢させるな。

『黙れ、五条。
二十にも分散した魂の一つと云えど両面宿儺だ。

然も、虎杖悠仁は呪術と関わらぬ所で生きてきたと聞いた。

もし、虎杖が呪霊に殺され、その呪力を吸収したとなると大変な事態となるのだぞ。

それを理解できぬのか？』

此奴は何処迄行っても巫山戯てる。

本人の意思は？

殺されるとわかっているのなら逃げるに決まっているだろう。

隆也「……わかった」

『え、父様…？』

隆也「今回の件、四月一日家では五条に一任する。」

はぁぁぁ！？！？

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