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1波 ページ1
-6年前(小学5年生)-
その日は、朝から雨だった。
いつも私立校初等部の登下校は車でしてもらっていたが、何となく雨を楽しみたくなって迎えに来た車に断りを入れた。
当然、運転手は渋った。『なら、せめて息子のジェシーをお供に…』なんて言うが、そのご自慢のジェシーくんはそのご自慢の理由、空手の稽古に意気揚々と向かって行ったぞ。呼び戻すなんて無理だろう。とにかく我を通したくて、私が『それじゃ！』と切り上げスタスタ歩けば『携帯の電源は切らさないでくださいよ！』と叫ばれた。はいはい、GPSね。
別に新しい雨具とかでは無い。あの運転手が嫌いって訳でも……、いや、嫌ってない、ほんとほんと。少し過保護でうるさいとは感じるが、嫌ってない、うん。
ただ何となく。本当に何となく、雨のこの街を見てみたかったのだ。自分の目で、自分の足で。
車では通れない細道を歩く度にワクワクして、漫画だとそろそろ新しい出会いがあったりするんだよね〜なんて、それはもう珍しくウキウキした気分で最後の曲がり角を曲がった。
━━事実は小説よりも奇なり
なるほど。昔の文学者はよく言ったもんだ。知らんけど。
こんな雨の中、傘もささずに電柱の根元で蹲っている黒髪の少年を発見した。
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甘味(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます！すみません、外したつもりだったのですが、付いたままだったようです。気をつけます…。 (2020年8月22日 3時) (
レス) id: 924e205136 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶餡蜜 | 作成日時：2020年8月22日 3時
