評価泥棒3

通知百三件 ページ5

「ふんふん、やっぱしあんたは占いツクールやってたんだね」

そう笑いかける狂里先輩だが、目が笑っていない。

嗚呼、ほんとついてない。

優菜が小さな悲鳴をあげて、トイレから逃げ出した。

一緒に逃げようかと思ったが、足に根が絡み付いたかのように動けなかった。

「あたしの作品どうだった？」

「…………良かったです」

そう答えると狂里先輩は薄笑いを浮かべて間接を鳴らし始めた。

「ほんとぉ？誤字脱字が酷いとか、書き込みしたでしょぉ」

単細胞だと思っていたが意外と狂里先輩は頭が切れるようだ。

考えてないようで考えている。

何を考えているか分からない、一番嫌な奴。

「改行もしたほうがいいと思います……。そのほうが読みやすいですから…………」

「アドバイスありがとねぇ。なにせあたし、初心者だからさぁ……。あんたのアドバイス通り(・・)書いてくよ。んじゃ、バイバーイ」

狂里先輩は手を振ってトイレから出ていった。

アドバイス"通り"？

私が出したアドバイスで批評がきたら……私のせいになるっていうこと？

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