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持ってきた写真を裏返して、安井に黙って渡す。
降ろしていた足をベンチのに乗せて縮こまる。
一通り読んだ安井はそれを京本に渡した。
「嘘みたいだったから、あんな風に告白されるなんて思ってもなくて。
返事をしなくても先輩って来てくれる樹くんが居て。
私を探して、手を振ってくれたり、笑いかけてくれたりしてくれて。
たくさんあったのに、タイミングだってたくさんくれてたはずなのに。
気づいた時にはもう手が届かなかった。
樹くんにも樹くんのことを好きな子にも嫌な思いさせて。
なにが正解だったのか考えてたけど、私が絶対的に間違ってて。」
思ってることが全部言えたかはわかんなくて。
考えてたことをとにかく吐き出したっていう感じ。
「んで、お前はどうしたいわけ?」
京本が写真を見ながら私に問いかけてきた。
「今更好きでしたなんて言えない。」
「Aはそれでいいの?」
優しい声で心配そうに私を見る安井。
「良くないけど、もう今更でしょ。」
「俺のせいかもしんねぇよな。」
京本がそう言いながら、私の頭に手をポンッと置いた。
「後夜祭の時、イライラしてて腹が立ってつい言っちゃったんだよな。」
「私の方に樹くん来てくれてたのに。
ありがとうって言えなかったのは私。」
「俺もフォローしきれなかったしなぁ。」
「なんにせよ、俺が言った一言で樹は来なくなったかもしれない。」
「でもそんなこと言われて引くような奴には見えなかったんだけどな。」
「気分わりぃから謝っとく。ごめん。」
「俺もごめんな。」
「本当のことは樹くんしかわからない。
思い返しても私が一番悪かったんだよ・・・。
でもありがとね話聞いてくれて、ごめんって言ってくれて。」
2人が悪いわけじゃないってことはわかってる。
樹くんのキモチを受け止めなかったのは紛れもなく私で。
あの日にちょうどぶつかったってだけ。
きっとそれだけのこと。
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初音(プロフ) - kikiさん» いえいえ!この作品の樹君がすごく好きで!これからも応援してます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 初音さん» なんとお恥ずかしい・・・!rを打ってしまったことに気づいた時にはもう初音様がお読みになられて・・・早速読んで頂き誤字を教えてくださりありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: efa8082a4b (このIDを非表示/違反報告)
初音(プロフ) - Mrsだと既婚者になってしまいますよ(苦笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2019年2月13日 1時