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「かわいいだって。」

「うるさいなぁ。」

「ってかざっすってなんだよな。
 今日も南先輩がかわいくてありがとうってこと?」

「知らないよ。」

「照れちゃってー。」


他人事だと思ってメロンパンをもぐもぐする安井をぐっとにらむ。
自分の顔がどんどん赤くなっていくのが、鏡を見なくてもわかる。


「ってかさ、本当に知り合いじゃねーの?」

「全然知らない子。」

「そっか…それにしてもさ、なんかすげーなあいつ。」

「そうだね。」

「バスケ部か…京本友達いた気がするけど。
 っていうか知り合い本当にいないわけ?」

「いないよ。
 部活の後輩くらいしか知り合い居ないもん。」

「にしてもあれだな。」

「なに?」

「忠犬ハチ公みたいなやつだな。」

「どういうこと?」

「お前が来るの正門で待っててさー。」

「っていうか私の言いなりってわけじゃないから。」

「それもそっか。」

「安井朝練は?」

「あっやべ、俺行くわ。」

「じゃあね。」

「俺にも頑張ってって言えよー。」

「何言ってんの、面白がってないでよね!」


サッカー部の安井はにやにや笑いながら、後輩たちが準備をしているグラウンドへと走って行く。

ひとりっこの私に妹や弟はいないし、ましてや仲の良い後輩なんて数えるほど。
特別仲が良いわけでもないしなぁ、なんて思いながら美術室まで足を進める。

部室に入って次のコンクールの手直し。
作品のつけるタイトルや概要を専用用紙に描きしたためる。

久しぶりに被写体が人ってことで魂のこもった作品になった。
体操部の“七五三掛くん”がアクロバットをしているところを描いた。
隣のクラスの如恵留くんは体がどうなってるのか書きづらくて、七五三掛くんを紹介してもらった。

顧問の安田先生に紙を提出し、ずっと借りっぱなしだった美術室のスペアキーを返却する。


「完成したんや?」

「結構気に入ってます。」

「ならよかった。
 南の絵やし、きっといい評価されるわ。」

「だといいですけど、じゃあ失礼します。」


職員室を後にして、校内に増えた生徒たちを見て時間の経過を感じる。

それにしても、樹くんはどこで私を知ったのだろう。

あの時間に学校に来ることを知ってたんだろう。

考えてもわからないことばかり。

でも不思議と嫌な気持ちにならないのはなんでだろう。


自分の気持ちすらわからないまま、教室へと向かった。

02 わんこのいる毎日→←※



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初音(プロフ) - kikiさん» いえいえ!この作品の樹君がすごく好きで!これからも応援してます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 初音さん» なんとお恥ずかしい・・・!rを打ってしまったことに気づいた時にはもう初音様がお読みになられて・・・早速読んで頂き誤字を教えてくださりありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: efa8082a4b (このIDを非表示/違反報告)
初音(プロフ) - Mrsだと既婚者になってしまいますよ(苦笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiki | 作成日時:2019年2月13日 1時

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