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05 見えないわんこの気持ち ページ16

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うちの文化祭にはクラス賞というものがある。
売り上げだけではなく、看板とチラシで順位が変動する。
どのクラスも前日まで看板を完成させず、他のクラスを牽制するのも暗黙のルール。
チラシに関しては業者受注を行い、クラスごと責任者が管理する徹底っぷり。

私の管理下におかれていたチラシは、責任者となったもろちゃんへ無事引き継いだ。
できあがったチラシは、もろちゃんが1日保管し原画が私の手元に戻ってきた。

短縮授業を終えてお昼が終われば各自準備に取り掛かる。
大会前の部活動もあるから、うちのクラスは生徒がどんどん減っていく。


「みな看板作り頑張ってね。」

「まどちゃんは部活もあるの?」

「試合前だけど短縮だから、終わったら準備に合流する。」

「頑張ってね。」

「みなもね!」


まどちゃんは調理係、家庭科苦手なのに大丈夫なのかな。
そんなことを考えながら、教室でひとり大きな看板と向き合う


「わりと孤独なんだよなぁ・・・。」


真面目を絵に描いた阿部ちゃんのおかげで廊下側の窓は新聞紙で覆われ、前後の扉も施錠済。
ここまでしなくてもと思うけど、みんなが本気だから仕方ない。
静かな空間で作業をしていると、集中できて筆の進みが良いのが自分でもよくわかる。

いつもにぎやかなクラスにひとりは孤独だけどレアなシチュエーション。
こうしている今も空気がこもらないように開けている窓からの風の音が聞こえるだけ。


「それにしても“CAFE DE 桐山”ってなかなかだなー。」


お店の名前はクラス満場一致で先生の名字に決まった。
ぎりぎりまでカタカナにしようか漢字にしようかクラスで決めかねていた。

今日準備中に佐久間が“カタカナだと床屋みてー”って。
そう言った、クラスみんなが妙に納得をして漢字表記にすることが決まった。

和書体の基本は楷書体になんだけど、これがまた難しい。
もう少しデザイン文字を練習しておくべきだったと後悔する。
大きなキャンバスに何度も描いては消してを繰り返しては納得がいかない。

それなりの大きさでバランスを取るのも難しい。
そのおかげで変な体勢で作業をしていて体が痛くなってきた。

リフレッシュするために、窓からグラウンドをのぞくとサッカー部が校庭の隅っこで練習をしていた。
気付くかなーって思いながら手を振っていると、安井がサッカーボールを蹴りながら走ってきた。

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初音(プロフ) - kikiさん» いえいえ!この作品の樹君がすごく好きで!これからも応援してます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 初音さん» なんとお恥ずかしい・・・!rを打ってしまったことに気づいた時にはもう初音様がお読みになられて・・・早速読んで頂き誤字を教えてくださりありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: efa8082a4b (このIDを非表示/違反報告)
初音(プロフ) - Mrsだと既婚者になってしまいますよ(苦笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiki | 作成日時:2019年2月13日 1時

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