君の嘘は私の幸せ

Foolish..... ページ33

- Yuu side -


「愛してるよ」


「もう一回」

「愛してるよ」


「もう一回」


「愛してるよ」


「もう一回」





「なにこれーー！一生続くじゃん！」



「まーねー、だってカップルじゃないんだから
　照れたら逆におかしいでしょ」



「確かにね」





学年トップ10の秀才たちが愛してるよゲームをやってる姿はなかなか面白い




二人とも無表情なのだ

　

こんな無表情で愛してるって言う人はめったに見ない。




「愛してるよ」


「もう一回」


「あーいーしーてーるぅーー！」



本人たちも、さすがに飽きて来たのか、苛立った口調になる



「もう一回」


「あーもう！終わりにしていい？」



「はいはい、いいよ。でも、すっごい笑った！」



「なにあれ、最高に面白かったんだけと！」



「ねー！」


「っていうか、本物のカップルでやるべきじゃない？」



皆の目が一斉に俺に集まって、ぎょっとした。





「は、ちょ、なんで俺なんだよ」



「は？決まってんだろ。お前、」



そう言うと彼は雪のほうに視線をやった



雪は、目立ちたくないかのようにうつむいて座っていた



「夕、やーれよー」



「そうだそうだー！雪、待ってるよ」




「待ってまーせーん！」




「ほら！待ってねーじゃん」




「でも、本当はいって欲しいんだよ。」




「そうだよ、夕、女ってそんなもんだよ」



なにそれ、女子、こわ。



一瞬雪に目をやると、もう耐えきれなくなったのか、ドアの方へ向かっていた




「ほら、夕、はやく！雪いっちゃう！」









言うべきなのか。。。。？









もっと。。。傷つくんじゃないか？








そう考えながらも、彼女の背中に向かって言った。






「愛してるよ」






動きを止めて、振り返った雪の顔は、真っ赤に染まっていて。





少し笑ったような気もするが、よくは分からない。









照れたように走っていってしまった雪の口からは









いつまでたっても返事は来なかった。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す