君の嘘は私の幸せ

once upon a time.... ページ2

- Yuki side -

2016年のカレンダーも最後の一枚にになった頃。

風が強く、少し肌寒い。

そんなある日、私はあなたに初めて目をとめた。









榛名夕。







サッカーボールをネットに入れ、蹴りながら歩いてくる。

サッカー部で、学年一カッコいい男子と言われている。

スラリと長い足を器用に動かす。

私とは、まるで別世界に住んでいる、校内の有名人。

一度も同じクラスになったことなく、関わったこともない。





「ねえねえ、叶。夕ってどんな人？」





「夕って。。。あの夕？」




え、そうだけど。。。





「あの人、7股してるらしいよ。しかも、性格悪いし。」
　
はい⁉ 何ですと⁉

「で、でも、ただの噂でしょ？」

「うん、まあ、そうだけど。」

ふぅ。。。 良かった。

「雪、もしかして、夕に気があるの？」





ありません‼

ただ気になっただけです‼

勝手な想像は止めてください‼

「あ、そう。なら良かった。」


夕って、性格悪いんだ。

でも、関わった事ないし、決め付けちゃダメだよね。







そんな事を考えながら、空を見上げた。

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