この恋、難攻不落につき。2 (ページ8)

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56話ページ8

…

お昼休み。

早速やって来た流星に、今日は望たちと食べたいと告げる。

…だけど、流星の反応は私の予想とは違うものだった。

流星「ええよ！じゃあ俺も一緒に食べてええ？」

「は…？」

流星「ええやん、俺も久々に大人数で食べたいわ。」

「いや、自分の教室戻ればええやん…」

流星「嫌や！最近智洋が聖菜と食べてんねん。せやから知宙と2人になるやろ？」

「…そうなんや。」

聖菜ちゃん、とうとう行動に移したんやな…。

でも、そんなこと言ったって

流石に流星も一緒はちょっと気まずいっていうか…

流星「腹減った。はよ食おう。」

「えっ、ちょっと！」

私の制する声も気にせずズカズカと教室に入ってきて

一直線に望たちのところへ向かった流星。

私も慌てて後を追いかける。

流星「なぁ、今日俺も一緒に食べてええ？」

突然の流星の登場に、3人ともぽかんとしてしまっている。

流星「なに固まってるん？…なんか顔についてる？」

…こんなとこで天然出してこなくていいのよ、流星さん。

大毅「別に…ええけど。」

流星の同席に許可を出したのは、意外にも大毅だった。

ということで、若干気まずい空気が流れる中、4つ机を合わせた隣にもう1つ机をくっつけて

いわゆるお誕生日席に流星が座った。

流星「にしても、いっつも4人で食べてるなんて仲ええな。俺らなんて3人で食べること滅多にないで。」

そう言いながらチョコメロンパンの袋を開けようとする流星を見て

相変わらずチョコメロンパンかよ、なんて心の中で突っ込んでいたら

大毅「別に、いっつも4人やないけどな。ほとんどAはおらんし。」

…なんて

決して良いことを言われているわけではないのに

久々に名前を呼ばれただけで

こんなにも鼓動が速くなるなんて。

流星「…せやなー。最近は俺がAを連れ出してるからな。ごめんな…？」

突然、なんだか女をオトす時のような

色っぽい笑みを浮かべた流星に

戸惑って視線を逸らす。

ガタッ

と隣から音がしたかと思えば、

望「…トイレ。」

少し苛ついたように見える望が教室を出て行った。

その後は、流星だけが楽しそうに喋っていて

望が帰ってくることはなかった。

…