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96話 ページ48








「大毅、今日のお昼は……」


大毅「あーごめん、今日も無理や。」




あの日から、大毅は毎日愛美ちゃんたちとお昼を食べるようになった。


それに、最近は私とも普通に話してくれるようになったのに


話しかけようとするとどこかへ行ってしまったり

話を途中で遮られることが多くなった。


私が近くに行くと妙に焦ったような表情になるし。



一体私が何したって言うわけ?


急にこんな態度とられたら、そりゃ落ち込むよ。



だけどこんな時に限って、

流星は最近知宙と一緒にいてなかなか会えないから相談できないし

智洋とは気まずいままだし

望は由紀がべったりすぎて近寄れないし。





「はぁ…」




こんなことになるなら、もう私に優しくなんてして欲しくなかった。


ずっと冷たいままの方がよかった。


一瞬でもその優しさに触れてしまったから


こんな風にどん底に突き落とされた気分になるんだよ。






愛美「大毅先輩、土曜日の大会絶対見に行きますね!」


大毅「おう、ありがとう。」




休み時間になる度にこの教室までやって来る彼女に、よくやるなぁとため息をつく。


時々、ちらっとこちらに視線をやる彼女に苛立ちが隠せない。


彼に笑いかけるその顔は、優越感に浸っている。




あの子、由紀なんかより全然タチが悪い。


さすが、あの聖菜ちゃんの友達なだけあるな…。




だけど彼女がこの教室にやって来るたび

気まずそうな、困ったような、面倒くさそうな顔をしてる大毅を知ってるから



まだ、完全に彼女に負けたわけではない。




そうまでして、彼を縛り付けているなんて

一体大毅のどんな弱みを握ってるんだか。

このままただで済ませてあげるわけにはいかない…。






「大毅、あのさ………」


大毅「っ、ごめ、ちょっとトイレ!」




私が話しかけた途端、焦ったように彼女の顔色を伺って教室を出て行った大毅。


残された彼女は、フッと私を嘲笑ったあと彼を追うように教室を出て行った。






「…何やねん、あれ。」






あの子、もしかしたら今までで1番の強敵になるかもしれない。









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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年9月27日 0時

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