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84話 ページ36









月曜日。



久しぶりの学校に、ちょっと緊張してしまう。



朝、制服に着替えて学校に行く準備をしている私を見て

淳太は少し嬉しそうに微笑んだ。




たくさん心配かけたはずなのに

私が言い出すまで何も聞かないでいてくれるところ、本当にいつも助かってるよ。


それなのに悩み事や相談がある時は何よりも真っ先に優先して聞いてくれるところも。




改めて淳太への感謝の気持ちを思い浮かべながら、恐る恐る教室のドアを開く。



最初に目に入ったのは、なぜか朝からうちのクラスにいて

私の机の上に腰掛けている流星。



体育祭が終わってからバスケ部に戻れたらしい彼は

今日も朝練終わりなのか少し汗ばんでいる。





流星「おう、ちゃんと来たな。」



嬉しそうに笑って、高い位置から私の頭を雑に撫でる。




「ちょ、ボサボサなるからやめてや!」



そう言って嫌がる私も、少し嬉しかったりして。




流星「じゃ、そろそろHR始まるし戻るわ。」


さっさと教室を出て行こうとする流星に、もう?と声をかけると



流星「Aの顔見たかっただけやし」


きっと他の女の子だったら一瞬で落ちてしまいそうなセリフに、笑顔。




改めて、普段から天然でこんな笑顔を女の子に振りまいている彼に恐ろしさを感じていると





大毅「だあーーーーっ!つっかれたーーー!!」


望「ほんま、しんど……ちょ、冷房もっと下げて」




サッカー部の朝練から帰ってきたらしい2人の姿。



人気者2人の登場に、一気に教室が賑やかになる。




大毅「ほんま最近の照史スパルタやねんけど!」


と、愚痴を言いつつもいつものだいきゃんスマイルで爽やかに汗を拭う大毅。



望「ほんま暑すぎて死ぬ……助けてえ……」


あまり体力のない望はヘトヘトで、そばにあった机にもたれながらしゃがみ込み

近くにいた女子を子犬のような目で上目遣いに見つめる。




そんな2人にきゃーきゃー騒ぐ女子たち。

ああ、なんだかこんな光景も懐かしい。



少しだけ久しぶりに見た2人は


幼馴染みの私から見ても、いつもよりキラキラ輝いて見えた。





もうすぐサッカー部の大会だ。

キャプテンの照史が一段と気合を入れている姿が目に浮かぶ。







チャイムが鳴って、先生が入って来た。




先生「お、中間。1週間ぶりやな」






その言葉に、2人が一斉にこちらに視線を向けたのがわかった。








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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年9月27日 0時

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