76話 ページ28
…
結局、借り物競走は赤団の2勝で終わり
体育祭もいよいよ終盤に差し掛かってきた。
部活対抗リレーではバスケ部とサッカー部の接戦に盛り上がり
障害物競走で1位になったドヤ顔の淳太が可愛かったり
綱引きで照史が大活躍したり
選抜リレーで崇兄の足が速すぎてダントツ1位になったり
大毅と智洋の二人三脚が息ぴったりだったり
100m走で1位と2位になった流星と望のツーショットに女子が悲鳴をあげたり………
思っていたよりも楽しい1日だったから
今日が私にとって最悪の日になるかもしれないことなんて
忘れかけていた。
全種目が終わって、閉会式が始まった。
優勝は、まさかの赤団。
照史はなぜか泣いちゃって、淳太と崇兄に慰められる始末。笑
ほんと涙もろいなあ、照史。
まあ、団長として頑張ってたもんね。
流星「もうちょっとやったのにな、青団。」
隣にいた流星も、ちょっと悔しそう。
たしかに、途中まではいい調子だったのにね。
淳太はもっと悔しいだろうから、帰ったら慰めてあげよう。
部活動の生徒はグラウンドの片付けがあるらしく残らなくちゃいけないみたいなので、謹慎中の流星や引退した崇兄たちと帰ろうとする。
智洋「大毅?どこ行くん、俺ら今から片付けやで」
大毅「なんか愛美ちゃんに呼ばれとるから、終わったらすぐ戻る!」
ふと、後ろから聞こえてきたそんな会話。
淳太「今日、照史たち打ち上げするらしいで。」
崇裕「え〜!ええなぁ、俺らもやろうや!」
淳太「なんでやねん、団違うやろ。笑」
流星「ええやん、淳太ん家で。」
騒ぐ私たちの横を、大毅が通り過ぎようとする。
崇裕「おっ、大毅!片付けがんばれよ〜」
淳太「お前サボってんとちゃうぞ。」
大毅「サボってへんわ!笑
てか、みんなもう帰るんか。お疲れ〜」
流星「おつかれ〜」
私たちに手を振って、行ってしまいそうになる彼の腕を
無意識のうちに掴んでしまった。
大毅「………え?」
目の前の大毅も
隣にいた流星たちも
私を見て驚いている。
「っ、………」
“行かないで”
そう言えたらどんなに楽だろう。
「ごめっ………なんでも、ない」
忘れかけていたのに
やっぱりあなたは、忘れさせてくれないんだね。
…
592人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年9月27日 0時