この恋、難攻不落につき。 (ページ9)

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8話ページ9

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照史「あ、A」

あの後授業に戻る気になれず、家に帰るとキッチンに見慣れた後ろ姿が。

「何してん…照史。」

彼は兄の親友で

うちによく出入りする人No.1だと思う。

照史「3年は終わんの早いねん。せやから来ちゃった～」

てへ、とおどけて見せる彼は時々本当に年上なのか疑う時がある。

「来るのは別にええけど、淳太は？」

さっきから兄の姿が見当たらない。

照史「俺がな、お菓子食べたい～言うたら買って来てくれるって！むっちゃ優しない！？」

もう、人の兄をパシリに使うなや。

「へ～よかったな。じゃ。」

早く自分の部屋へ行って寝よう…と思っていたのに

照史「ちょちょちょ、どこ行くねん！」

「は、自分の部屋やけど。」

照史「あかんあかん、1人にせんとって！」

こういうとこだ、いつまで経っても照史を年上だと思えないのは。

捕まってしまったので渋々ソファーに座って彼の話し相手になってあげる。

照史の話のほとんどは大体淳太のことだから、私は適当に相槌を打ってテレビに集中することにした。

照史「…ってか当たり前のように帰って来てるけど、お前まだ授業中やろ？ほんまそのサボり癖はいつになったら直るんやろな～」

「照史に言われたくないんやけど。昔はよく一緒にサボってたやん。」

中学の時まではよく一緒にサボっていたことが懐かしい。

いつからかそんなことも無くなったけど。

「てか、私にサボり癖つけたのは照史やで？」

授業を抜け出す上手い言い訳も、保健室の先生と仲良くなるコツも、中学の旧体育館へ入れる裏口も

全部照史が教えてくれた。

照史「いや、どっちかっていうと流星やろ？」

まぁ、流星とも昔はよく一緒にサボってたけど。

体育館のギャラリーも流星に教えてもらった場所だし。

淳太「ただいま」

と、そこに淳太が帰って来た。

…