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18話 ページ19








放課後。

私は智洋の部活が終わるまでグラウンドのベンチで暇を潰すことにした。



今日はグラウンドを使う部活がサッカー部だけなので

今は全面を使って練習試合が行われている。





サッカー部…といえばあの2人で。

見たくなくても視界に入ってしまう。




バスケの時とは大違いで鮮やかにボールを奪うと素早くゴールを決める大毅。


そんな大毅に負けじと必死にボールを奪おうとする望。



智洋も元々運動神経がいいからさっきから何度もゴールを決めている。




ピーッと笛が鳴って

照史が部員を集める。



あんなんでも、一応キャプテンなんだよなぁ照史。




ふと、この場に流星がいたらと思う。

小学校までは大毅たちと同じサッカー少年だったくせに

中学に上がるとなぜかバスケ部に入った流星。


きっとサッカー部に入っていたら大毅と望と3人でエースになってたんだろうなぁ。



ま、今はバスケ部のエースらしいけど。






サッカー部は休憩時間に入ったらしく

みんなそれぞれ水を飲んだりストレッチをしたりし始めた。


遠くの方で大毅と照史がふざけ合っているのを見て

思わず笑みが溢れる。





智洋「Aーー!!」



名前を呼ばれて顔を上げれば

智洋が満面の笑みで手を振っていて。


笑顔で振り返すと遠くからでもわかるくらい赤くなるから

あはは、と声を出して笑ってしまった。





だけど智洋が大声を出したせいで私の存在がみんなにバレてしまって。


望がチラチラこちらを見だして

照史は驚いたように私を見つめて

大毅は一瞬私に目を向けるとすぐに智洋に視線を移した。



そして、マネージャーの聖菜ちゃんは…



さっきからずっと私のことを睨んでいる。

どうやら私は昔から聖菜ちゃんに嫌われているようだ。




流星の妹で

美人でモテる彼女は、1年生にも関わらず倍率の高いサッカー部のマネージャーを見事勝ち取って

女の先輩に文句を言われても負けずに頑張っているらしい。




…ただ、大好きな“彼”のためだけに。




彼女は気が強くてワガママなところ以外はいい子だと思う。


まぁ私はそんな彼女に嫌われてるんだけど。





聖菜ちゃんの視線にも気付かず

ずっと私に視線を送る智洋を見て


何だかなぁ、とため息をついていると





サッカーボールが1つ、足元に転がってきた。








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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年2月21日 20時

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