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素直な行動しか取れなくなる“個性”事故に遭ってみた、1 ページ10

フシャーッ、と毛を逆立てて威嚇する猫のような様子に、“個性”事故に遭った悠花を保護した警察官は頭を悩ませていた。

近づけば黒い衣刃で切りつけられるし、近づかなくても値踏みするように観察されているのは嫌でも感じるし、放置も出来ないし、というわけである。

「ポーティクティヴ、ここは安全な場所だから…」

「近づいたら斬り殺す」

先ほどからこの調子で、全くもって聞く耳を持たない。

警察官が胃薬をお茶に溶かして飲もうとしたところで、ようやく扉が開いた。


「すみません。こちらにウチの生徒が居ると連絡を受けたのですが…」

「相澤先生!」

ぱあっと明るい顔になった悠花は、満面の笑みで相澤に駆け寄る。

勢い良く抱きつかれて驚いた相澤は、事情を聞こうと悠花の肩を押して体を離し、顔を覗き込んだ。

悠花がビクリと肩を揺らす。

「“個性”事故に遭ったんだろう。具合はどう、」

相澤が最後まで言い終えるよりも前に、悠花の瞳が溢れんばかりの涙で潤んだ。

は!? と声に出さずに慌て、硬直する相澤。

その様子をどう解釈したのか、悠花はついにぽろりと涙をこぼす。

「ごめんなさい相澤先生! 迷惑でしたよね!? 本当にごめんなさい! 報告書も増やしちゃって…」

泣く寸前のような声で謝り倒す悠花にギョッとした相澤は、取り敢えず落ち着けさせようと「大丈夫だ」と背中を摩る。

その間も、悠花は「ごめんなさい、ごめんなさい」と頼りない声で繰り返していた。

「ごめんなさいっ、ごめ、なさ…」

「大丈夫だ。朝霧、気に病むな。このくらい何てことない。だから落ち着け、大丈夫だから」

ほぼ必死に言い聞かせて、それでも謝罪の言葉を言い続ける悠花に、相澤は「こういう時オールマイトならもっと…」と詮のない夢想をした。


しかしもしここにオールマイトが来たら、入室した瞬間に喉笛を掻き切られていたので、居なくて正解である。

こちらからもう少しオールマイトに対して歩み寄るべきだという『模範解答』を、悠花はしっかりと正確に理解している、のだが……それを全力でかなぐり捨てて虎視眈々と合法的に始末する機会を狙っている。

もちろん、ナイトアイや物間、八百万や相澤や心操が傷つかないことが前提条件である。


好き嫌いで露骨に贔屓するところは悠花の人間的欠点だが、「人間じゃないし良くない?」と、笑えないジョークでその場を濁すだけだ。

全く改善しようとしない。

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作者名:紺青 | 作成日時:2019年3月4日 20時

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