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「西川さん…なんでですか?葵さんより私の方が、かわいいし、若いし、全て勝ってると思います!それなのに、なんで?!」

「……」

「……っ、そんな冷たい目で見ないで!私の方が、西川さんのこと……!葵さんなんかに、私が負けるなんてありえない!」

「あんな、」

「西川さんも西川さんよ!こんなひとのどこが良い訳?このひとと付き合ってるから、野球だって中途半端になってることがあるんじゃないですか?!もっとちゃんと、」

「お前、いい加減にせ …


「あのさあ、」



彼女のどうしようもない不満を聞いていたが、いよいよ堪忍袋の緒が切れて、口を開こうとしたとき。今まで同様に黙っていた葵が、面倒くさそうに口を開いた。



「さっきから好き勝手言ってくれてるけど、」

「……っ、だって、だって事実でしょ!あなたなんか、もうおばさんじゃない!西川さんとなんて釣り合わない!」

「あー、もうそれはどうでも良いんだけど、」

「な……っ」


「私のことをどうこういうのは勝手だけど、龍馬のことや、龍馬が努力してる野球のことは馬鹿にしないでくれる?」


「…葵、」



葵の瞳が、鋭く女を刺した。それは俺でさえ、びくっとするような眼差しで、小さく名前を呼ぶだけで何も言えなくなってしまう。

そのまま葵はゆっくりと彼女へ近づいていく。おい、やめとけ、何持ってるか分からへんぞ。そう言っても、俺に見向きもせず、ただ女の瞳一点を見つめて。じりじり詰め寄られる彼女は、責め立てている筈なのに、怯えたような表情で後退りをしていた。

そのまま、壁に追い詰められて。眉毛を下げて葵を見た女を、葵はじっと見つめた。



「あなた、かわいい顔してるね」

「…は……?」

「かわいくて若くて、きっと女として負けたことなんてないでしょうよ」

「そ、そうよ…!だから、」

「でもね、」

「……なによ」



「あんたみたいなプライドの塊に、西川龍馬を渡すつもりなんて、私、微塵もないから。……もうちょっと、大人になったら、もう一度かかってきなさい」



あなたにとって、大人になることは、老いを重ねることかもしれないけど。

そう、にっこりと笑って、葵は彼女を真っ直ぐ見つめた。その目は据わっていて、見つめられた彼女は一溜りもなかったのだろう。わっと顔を伏せて、部屋を飛び出してしまった。



「…弱、」

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aoi(プロフ) - Ey3467さん» はじめまして*こちらこそありがとうございます!とても励みになります^^ (2021年6月1日 12時) (レス) id: 4b9a3afcbe (このIDを非表示/違反報告)
Ey3467(プロフ) - はじめまして!aoiさんのお話ほんとに大好きなので更新していただけてほんとに嬉しいです! (2021年5月31日 12時) (レス) id: 8bada13383 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - よせさん» コメントありがたいです、うれしいです! (2019年8月4日 11時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - り子さん» うれしいお言葉ありがとうございます*(頂いたコメントですみません、り子さまのおはなし、私もだいすきです…!) (2019年8月4日 11時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みやさん» ありがとうございます、嬉しいです* (2019年8月4日 11時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi | 作成日時:2019年4月2日 23時

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