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帰宅してからも拗ねたままだったのか、皓太くんの口数は少なかった。私がやきもちなんて聞いたから、いやだったのかな、なんて考えたけど、何も言えなくて。

「俺以外の男なんて、一生怖ければええのに」

その言葉の意味も、私にはよく分からない。いよいよベッドに潜り込む皓太くんを追って、私もベッドに入った。



「あ、の…!こたくん」

「何?」

「お、こってる…?わたし、なんかしたかな」

「……」

「やきもち、なんて聞いたから、気分悪くしちゃった、かな」

「……」

「それならごめんね、そんなつもりひとつも、」

「ちゃうよ」

「え?」

「……情けなかったん」

「…え?」

「酔い潰れて、男苦手な彼女をあの場に呼ばせて、迎えに来させて。恥ずかしくなって落ち込んで、でも葵さんが楽しかったなんて言うたから、ちょっとムッとしてもうて。そんであんな、重いこと言うて、」

「こ、たく…」

「何してんのやろーって、後悔と反省してます」

「反省なんて、そんな」

「…でもあの言葉は、本心なんやと思う」

「え、」

「俺以外の男なんてずっと怖ければええのに、って。そうすれば、他の男に移ったりせず、ずっと俺だけのものやのにって」

「こたくん…?」

「……それくらい、めっちゃすきやから。かわええ、とか褒められてると、不安」



目の前にある広い背中から聞かされる言葉は、思ってもみなかったものばかりで。重くて引くやろ、なんて自信なさげな声は、震えていた。

こたくん、まだ酔ってるよ。普段、そんなこと言わないじゃない。耳だって赤いし、体も熱い。

でも、それが愛しくて恋しくて。ぎゅっと、背中に抱きつく。



「…葵さん?」

「引かないよ…」

「…うそや」

「嘘じゃないよ…っ。こたくんがそんな風に思ってくれてるなんて、知らなかったから…うれしい」

「ほんま…?」

「男の人はたくさんいるけど、私の好きな人は、かわいくて優しくて暖かくて、年下なのに守ってくれて、野球がすきでそのときはかっこよくて強くて、私のこと優先しすぎて後悔したり反省したりする、目の前のこたくんだけで、」



言葉は途切れた。そのまま振り返った彼に、抱え込まれたから。痛いくらいの抱きしめ方に、最近少し慣れていた。



「はずいわ…」

「わ、わたしも」

「葵さん、」

「な、に」

「すきや、」




そんなかわええこと言われたら我慢できひん、そう言って彼は嬉しそうに深いキスをした。




_fin

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aoi(プロフ) - Ey3467さん» はじめまして*こちらこそありがとうございます!とても励みになります^^ (2021年6月1日 12時) (レス) id: 4b9a3afcbe (このIDを非表示/違反報告)
Ey3467(プロフ) - はじめまして!aoiさんのお話ほんとに大好きなので更新していただけてほんとに嬉しいです! (2021年5月31日 12時) (レス) id: 8bada13383 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - よせさん» コメントありがたいです、うれしいです! (2019年8月4日 11時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - り子さん» うれしいお言葉ありがとうございます*(頂いたコメントですみません、り子さまのおはなし、私もだいすきです…!) (2019年8月4日 11時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みやさん» ありがとうございます、嬉しいです* (2019年8月4日 11時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi | 作成日時:2019年4月2日 23時

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