融ける熱帯夜 (！) ページ14
＊大人向けです。苦手な方はご注意を。
＿
カッコつけで、スカしてて、どちかとツンとしてしまうタイプの彼だけど。昔、たまに葵のことをすごく甘やかしたいときがある、と言われたことがあった。何言ってるんだ、と思っていたが、今となってはよく分かる。
それはきっと、こういうとき。ああ、甘やかされてるなあと思う。だって龍馬の表情が、優しくて仕方ないから。気持ちええ？、と囁く彼の洋服を、震える手で握りながら、頷くので精一杯だ。
よかった、と嬉しそうに額にキスをしながら、身体の柔らかいところに触れる指が、器用で丁寧で。寝巻きのTシャツはすでに腕から外れて、くしゃくしゃに捨てられていた。彼の熱がいつも私を溶かすから、そういうときは言葉が出なくなってしまう。
｢…っぁ…｣
｢…ええ顔しとる｣
｢…っや…｣
｢なんで？隠さんといてや｣
俺だけしか見れへん顔なんやから、と、隠そうとした掌を、彼の大きな手が優しく剥がした。目が合えばふと笑ってくれる。いつもの、面倒をかける年下らしい男の子じゃなくて、私を求める男のひとの笑顔。
そのままキスが降ってきて、深く深く塞がれる。さらに衝動が続くから、隙間から声が漏れてしまった。快感が強くて、息が乱れる。酸素が欲しいのに塞ぐ唇はさらに深くなった。
｢んん…っふ…｣
｢ん、…葵｣
｢…はあ、は…っや｣
｢ごめん、苦しかった？｣
｢…っくるし、｣
｢…ほんま唆る｣
いつもの葵とは別人やな、と余裕な彼は嬉しそうに笑う。それはそうだろう、龍馬だって別人みたいだ。普段、憎まれ口が多いのに、こういうときは気遣う言葉か甘やかす言葉ばかり。
それこそ、知らないひとみたいだ。
｢ふぁ…っりょ、ま｣
｢ん…？｣
｢…っ龍馬…｣
｢はいはい｣
仕方ないなあと言いたそうな柔らかい表情で。彼は私をぎゅっと抱きしめてくれた。龍馬は私が、肌と肌が触れ合うと安心することを知っていて、求めると必ず答えてくれる。
ただ、それと引き換えに彼の動きは増したから、私も思わず抱きついてしまった。
｢…好きやで、葵。すきや｣
｢ぅん…あ、ぁ…っやあ…！｣
｢ちゃんと聞いとる…？｣
｢あ、あ…っぁ｣
聞こえてへんか、と愛情たっぷりに耳元で呟いた龍馬の言葉を、聞くことは難しかったけれど。このままずっとずっと、一緒に居られればいいのに、と願いを込めて、彼の頬にキスをした。
＿fin
突然大人なおはなし。
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aoi(プロフ) - Ey3467さん» はじめまして＊こちらこそありがとうございます！とても励みになります＾＾ (2021年6月1日 12時) (
レス) id: 4b9a3afcbe (このIDを非表示/違反報告)
Ey3467(プロフ) - はじめまして！aoiさんのお話ほんとに大好きなので更新していただけてほんとに嬉しいです！ (2021年5月31日 12時) (レス) id: 8bada13383 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - よせさん» コメントありがたいです、うれしいです！ (2019年8月4日 11時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - り子さん» うれしいお言葉ありがとうございます＊(頂いたコメントですみません、り子さまのおはなし、私もだいすきです…！) (2019年8月4日 11時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みやさん» ありがとうございます、嬉しいです＊ (2019年8月4日 11時) (レス) id: 3dc625fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi | 作成日時：2019年4月2日 23時
