■Story.71 ページ21
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涼介に電話で玲衣が運ばれた病院を聞いて
急いで駆け付けた。
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玲衣「裕翔…………来たんだ。」
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腕には包帯が巻かれていて、
顔にはガーゼが当てられている。
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裕翔「お母さんとかは…………」
玲衣「来ないよ、二人とも海外に出張中。」
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玲衣は俺を見ずに、窓の向こうの景色を眺めていた。
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玲衣「私……死んだ方が良かった?」
裕翔「何言って……そんなこと!」
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玲衣「だって、私がいなくなれば
妹ちゃんと気兼ねなく付き合えるでしょ。」
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裕翔「それとこれとは…………」
玲衣「だったら、妹より私を選んでくれる?」
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玲衣の鋭い視線が俺を捕えて。
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静かすぎる病室が何となく怖くなった。
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玲衣「本当に死んじゃえばよかった。
死んだ方が裕翔の心に残るでしょ。
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いい想い出じゃなくても
悪い想い出でも構わない。
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罪悪感とともに私のこと覚えてくれてれば、
思い出してくれれば……」
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こんな残酷なことを玲衣が口にするように
なってしまったのもきっと俺のせいだ。
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全てはAをただ愛してしまったことから
始まってしまって。
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一つの愛を守るために沢山の愛が傷ついた。
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裕翔「玲衣…………もういいよ。分かったから。」
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人を愛することは本当に大変なことで
辛いもので、傷つくものなんだ。
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作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2013年6月23日 5時