恋のカタチ#３【完結】 (ページ6)

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＊第103話＊platonic ページ6

ふと窓の外をみれば、桜の蕾がいくつか花を咲かせているのが見えた。

私は隣の席にそっと手をあてた。

－その本なんて本？－

－チュベローズで待ってる…だけど－

－へ？なんて？ちゅ、チュローズ？－

あんなふたりの日常は

思い出になって消えていくのに

どうやったらこのぬくもりを

忘れられるんだろう

－そんなの決まってんじゃん－

－え－

－Aのことが好きだから－

このときからもう

試されてたんだね

今になって何が大事か気づいたんだよ

－Aはそれでいいの？ちゃんと二人で決めた方がよくない？－

－でもどんな決め方したってどーせ終わんないし。－

－そんなのAらしくないよ－

誰にも見せたことない

君を

あんなセリフを

聞かせてよ

－俺にあーんしてくれたよね？－

－は？何言って…－

－ンフフ－

そういって笑ってよ

もう一度

これが最後の恋なんだって思ってたけど

嘘じゃないんだね

－…もう、きつかったらきついって言って－

－え－

－遠慮とかいらないから－

－…－

－もっと俺を頼って－

さよなら。

淋しいって泣きながら

すがるなんてしたくないから

今まで捨てられなかった私の気持ちを

もう捨ててしまおうって

考えたけど

愛なんて

君だけなんだよ

君じゃなきゃ

意味なんてない

－そんなに俺のこと…嫌いだった？今まで…ずっと我慢してた？－

－ちがっ－

－ごめん、気づかなくて。もう…やめるから－

もう終わったって分かってる

だけど私は…

時計の針が戻るなら

ただ君に会いたいよ

気づけば、さっき消えたはずの涙が

前なんて見えなくなるくらい

流れていた。

これだけは言いたかった

ごめんねって