恋のカタチ#３【完結】 (ページ12)

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＊第110話＊大好きページ12

Aside

『そんな…』

確かに、今の手越くんの話を聞けば、私が聞いた会話の内容も当てはまる。

でも、あの方(手越くんのいとこさん)超可愛かったし、きれいだったし…

彼女さんにしか見えなかった。

詳しいことも知らずに、テキトーな思い込みをしてた私って…

最悪の極みだ。

「ってことだから、彼女なんていないから。ね、信じて？ほんとにほんとに」

『信じてるよ。疑ってごめんね。』

私がそう言うと、手越くんはホッとした顔をして。

「ね、A」

『ん？』

「さっきいいかけたことだけど」

『えっ』

「ほんと…に？俺、信じられないんだけど。」

『…ほ、ほんとだよ』

「じゃあさ、俺から言ってもいい？」

『え！そのために私の言葉止めたの！』

「そーゆーの俺、自分から言いたいの」

『…』

「A、

好き」

そんな手越くんの顔は、普段の姿とは考えられないほどに真っ赤になっていた。

『わ、私も…

好き…だよ』

それと同時に、自分の顔が焼けるように熱くなって、心臓が飛び出すくらいに高鳴った。

「かーわい。照れてんの？」

『て、照れ…』

ヤバい、息がうまく吸えなくてしゃべれない…

『て、手越くんの方が照れて…』

「え、ば！んなことねぇって」

『…顔真っ赤だよ』

私が自分のことから話をそらすようにそう言うと、手越くんは何かを諦めたように笑った。

「触って、ここ」

手越くんは自分の胸に手を当てた。

『え？』

手越くんに言われた通り、私も手越くんの胸に手を当てると…

ドク、ドク、ドク、と波打つ鼓動が伝わってきた。

「ヤバい、死ぬほどうれしいんだけど」

そんな手越くんに私は笑いかけた。

「ね、もう一回言って」

『え、いやだよ』

「えーやだじゃないーお願いー」

いやいや…そんな上目遣いで言われたらよ。

『好き』

「ンフフ、俺も大好き」

その瞬間、私は手越くんの香りとぬくもりに包まれた。