恋のカタチ#３【完結】 (ページ1)

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＊第98話＊バイバイビー。ページ1

『あーファイナルハイスクールライフももう終わりかぁ』

最後の教室を出たあと、私は校舎を見上げてそう言った。

「それ懐かしいね」

『そう？』

「始業式のとき思い出すなー。私は恋愛が命って言ってたじゃん？A」

『え！そんなこといってないよ！？』

「うーそだ！言ってたもんね！」

『ほんとに？』

「可愛い子作戦とかやったよね」

『な！懐かしいねそれ。』

「あと…花火大会！」

『あ！それさ、あおいたち途中でいなくなったけど－』

「あ、」

私が言葉を続けようとしたとき、あおいはふと校門の方を見た。

私もつられて目をやると、そのにはあおいのお母さんの手をふる姿があった。

『お母さん？』

「…うん。今から家族でご飯食べに行く予定で」

『そっかー』

「いとこもくるんだよ？ちょっと大げさだよね」

『え、いいじゃん！私そーゆーの好きだけど』

「そう？」

『うん。…じゃーもう帰んなきゃだね』

「そーだね…」

あおいは急に悲しそうな顔をする。

もう、やめてよ(笑)

『…よし！じゃあ大学行っても遊んだりしよーね！』

「うん」

『…じゃ！バイバイビーあおい』

「え、A？」

『元気にしてなよ？私がいなくても泣くなよ？』

「あはは、そんな大げさだって…」

あおいの目から一筋の涙がこぼれた。

『とにかく！バイバイ！』

「…うん。バイバイビーA」

おう！、なんて言って私はあおいと別れた。

最後はこれでもかというくらい明るく振る舞った。

じゃないと…

泣いちゃうでしょ？

私はひたすら歩いた。

謝らなければいけない人はあおいだけじゃない。

増田くん。

なのに、いくら探してもどこにもいないんだ。

もう帰っちゃったのかな…

そう諦めかけていたときだった。

「Aー！」

『え』

後ろから聞こえたのは

確かに増田くんの声だった。