杞 ページ33
嫉妬。
そっか、翔ちゃん嫉妬してたんだ。
自分にもあんなタッパやパワーがあればエースになれるのに、って。
「( ……全然、気づかなかった )」
いっつもいっしょに帰ってるのに。
東峰先輩の話もいっしょにしてたのに。
私は飛雄より１年長く翔ちゃんといるのに。
……１年も、違わないか。
昨日も一昨日も分かっていたはずの事実に、チクリと胸が傷む。
「…………羨ましくて、なにが悪いんだ。
もともとでっかいお前になんか絶対わかんないんだよ！！」
翔ちゃんが怒鳴った。
初めて聞いた。
「おい」
「なにが言いてぇんだよーー」
澤村先輩の静止の声を無視して飛雄が翔ちゃんの方へ歩き出す。
これじゃ、前とおんなじだ。
せっかく良い感じになってきたのに。
「翔ちゃん」
立ち上がって、翔ちゃんの腕を掴む。
飛雄が足を止め、翔ちゃんがバツの悪そうな顔で振り返る。
「飛雄は悪いなんて言ってないよ。
それに、翔ちゃんはちっちゃくても十分カッコイイ！！」
「！」
「先輩、試合再開しましょう！
翔ちゃんできるよね？またなんか調子おかしかったら言って」
「あ、おう」
ここで喧嘩なんてしてほしくない。
何より、今は二人だけじゃなくて、先輩方も、町内会チームの方々もいるし。
仕切り直して進むが、すぐに町内会チームとのポイント差は大きい。
「あの、次コイツにトスあげるんで全力でブロックしてください」
「！？」
そして試合中盤となって、飛雄は挑発を始めた。
翔ちゃんは" 最強の囮 " 。
当然囮というのは、誰にあがるかわからないという前提条件があって成り立つ。
つまり宣言してしまえば、それはもう意味をなくす。
「ーー今のお前は、ただ『ちょっとジャンプ力があって素早いだけの下手くそ』だ。大黒柱のエースなんかにはなれねえ」
「！」
今度は耳をすませていたから、しっかりと聞こえた。
また喧嘩？！なんていうのは、
「でも、
俺がいればお前は最強だ！」
ただの杞憂みたいだった。
……かっこいいなぁ、飛雄。
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き(プロフ) - 愛さん» ＾＾＾＾＾＾ (2020年2月24日 14時) (
レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 赤梟ってもしかして！！.... (2020年2月24日 13時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - みゆみゆさん» ありがとうございますううう！！こちらからお願いしますはアマゾン不可避です (2020年2月23日 15時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - もちろんです！というかこちらからお願いします！ (2020年2月23日 13時) (レス) id: a635d8fb67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - みゆみゆさん» ほわあああ！！！ ありがとうございます！！か、可愛くなってる……あの、作品内で紹介させていただいてもよろしいでしょうか？ (2020年2月23日 12時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きたの | 作成日時：2020年2月17日 12時
