【赤】ハートに火をつけて (ページ25)

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不安がるページ25

それから俺は、喫茶Sakuranoの定休日水曜に

仕事がない日は必ず立川に行っていた。

そして、昔話で花を咲かせ

Aにメンバーの面白かったこととか話しながら

一緒にいる空間を徐々に増やしていた。

Aには、決して付き合おうって言ってない。

でも、キスを要求すると受け入れてくれてしまうAに甘えていた。

Aはまだ、俺に未練があることはわかっている。

だって、１つも嫌そうな顔をしないから。

俺も、毎週水曜日にAの喫茶に行くのが楽しみになっていた。

あわよくば付き合いたい。

Aが昔のように戻ってくれるのを待つだけ。

正直、もう恋人みたいなことを十分にしているんやけど。

神山「シゲ、会いに行った？」

１ヶ月くらいが過ぎ、神ちゃんにそう言われた時は

一瞬ひやっとした。

重岡「Aんとこ？行ったで～」

雑誌の撮影の関係で、小瀧と流星と神ちゃんが楽屋におる。

小瀧「あぁ、神ちゃんが言ってた喫茶店の話？」

神山「そうそう。ちゃんと話できたんかなって心配で」

重岡「あ、もう大丈夫」

藤井「まあ、あっちもあっちで昔の話やしな。

ええ思い出やろ」

…は。

流星のその言葉が聞き捨てならない。

何が、ええ思い出や。

過去の話みたいに進めんなや。

小瀧「まあ、でもよかったんちゃう？

ほら、芸能人になると、なかなか結婚しづらいし

その女の子もシゲがジャニーズで頑張るってなったときに

応援する立場にならなって悩んだやろうしな」

待って待って。

え、小瀧まで？

昔の淡い青春みたいに、俺とAの関係を美化しようとしてへん？

俺はちょっと気分が悪くなって

神山「…シゲ？」

重岡「ちょ、トイレ」

楽屋から逃げた。