＊ ページ23
そう呟く俺に少し目を丸くして
俯くA。
「大毅も大事な年やろ」
重岡「Aさぁ。
ごめんね青春!も、知らなくていいコトもみてないんやなくて
みれないんとちゃうん？
俺を思い出してしまうから
CDもDVDも買ってくれへんのとちゃうん」
そう言っても、Aは俺の方を見ない。
あぁ、またセミロングの髪の毛のせいで
Aの表情が見えへん。
重岡「実はAも未練タラタラなんとちゃうの」
「そんなことないで」
俺はセミロングのその髪を
いつかと同じように耳にかけた。
Aはびっくりしてこっちを見る。
重岡「俺に未練がないんやったら
拒否って」
俺が、Aの顔に近づく。
Aの潤う目を逃さない。
両肩に手を置いて、少し顔を傾けると、Aは目を閉じた。
重岡「よかった
未練あってくれて」
俺は、Aと口づけを交わした。
唇を離すと、Aは唇を噛み締めた。
なんなんその行為。かわい
「あかんよ、大毅…」
重岡「なぁ、これで最後にするから
昔に戻ってしようや」
「あかんって」
重岡「なんでや」
「大毅がジャニーズやから」
重岡「ジャニーズでも結婚してる人はいるで」
「そうやけど…。
大毅のファンが傷つくで？」
やっと、再会したのに
現実をついてくるA。
ファンのことは大事にしないといけない
そんなことはわかってるけど
Aのことも大事にしたい。
重岡「もう、店しめたんやろ？
鍵もそういえばかけとったな」
「大毅…」
重岡「な、一回だけ」
そう言って、俺はAに何度もキスをした。
Aは諦めたのか、もう何も言わずに受け止めてくれて
こじんまりとはしているけど普段お客さんが入るような場所で
スリル満点な場所で
堂々と俺らはお互いを求めあった。
「上がベッドやから…」
重岡「ムード壊すなや」
「あ、ごめん」
俺らお互い裸やのに、
Aをお姫様抱っこして
重岡「成人式の時もこんな感じやったな？」
「…ばか」
二階へ上がって
ベッドの上で続きをして
お互いが果てて
また、短いキスをした。
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作者名：きい
| 作成日時：2021年1月8日 0時
