【赤】ハートに火をつけて (ページ20)

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濱田「中学校の同級生とか？」

藤井「なんか、思い出したくないこと思い出したような顔やな、シゲ」

小瀧「いじめてたんちゃうん？淳太に対してやってるみたいに笑」

中間「女子にやったらそりゃ嫌われるで笑」

桐山「でもシゲやったらやってそうやわ笑」

思ったことテキトーにつらつら並べやがって。

俺は、住所の書いてある紙を握りしめた。

神ちゃんが心配そうに俺のことを覗き込んだ。

神山「…もしかして、初恋の人とか？」

…なんでわかるん。

やっぱり、相方って怖いな。

神ちゃんにはなんでも見透かされてそうで。

みんな、神ちゃんの言葉に黙る。

楽屋の空気がなんとも気持ち悪い。

神山「嫌な別れ方したん？」

重岡「…結局あいつは

俺にジャニーズをやってほしくないねん。」

俺が言ったその言葉に、みんな耳を傾ける。

重岡「幼馴染で、ずっと一緒におって

ジャニーズになった時も

頑張れって言われたけど、応援してない感じやったし

おかしいと思ったわ。

俺がやっとの思いで告白して

付き合ったのに

結局１年で

たった一年で

しかも観覧車の上で一方的に別れを告げられて

残酷やな。

ジャニーズの俺とはもう付き合えないって。

ジャニーズが彼女作ったらあかんことくらいわかってんのに

なんで俺はAと付き合ったらあかんねんって

そんなん周りの人が決めることちゃうやんって。

あの時の俺は、そう思ってて

Aしか見えてなくて

最低な言葉ぶつけてAを置いて帰ってもうたし

もう、思い出したくないことやのに

なんでまたここになって思い出すねん…」

今になればわかる。たくさんのスキャンダルがおおっぴらになるこの芸能界では

ジャニーズが、しかもデビューもしてないジャニーズJr.の分際で恋人を作るなんて

芸能界を舐めてるとしか思えへん。

今になればな、

でもあの時は。

藤井「じゃあさ、けじめをつけるために一回会いに行けばええんちゃう？」

小瀧「俺もそう思う。どんな理由であれ、女子に最低な言葉を言ったまま再会してないって

なんか、後味悪いし」

そんな2人の言葉もあってか

重岡「…そうやな。謝るくらいはしないとな」

俺は、仕事休みの日に

立川へと車を進めていた。