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「望くんは前に前にって、上に上にってがむしゃらに目指していけるの、本当に羨ましい。














でも私はそうは行かない。一つ一つ確実に。そうしないといつも不安で。」





Aさんの俺を握りしめる手が少しばかり強くなる。






「そんな望くんが、私も好きだよ。めげずに進む姿、本当にカッコいいと思う。




だから、望くんの仕事が落ち着いて、私のことまだ好きだって思えるなら、その時来てくれる?」







当たり前やん。
















“ありがとう。ホンマにごめんな…”







「何回謝るの。笑」








俺はAさんをぎゅっと抱きしめた。






どこかにいなくなってしまうような儚い存在だからこそ、繋ぎ止めて刻みたい。










Aさんがまだ俺のこと好きでいてくれてホンマによかった。












もっとカッコいい大人になって帰ってくる。





「1週間休みなんだよね?あと2日くらいはいれそう?」




“うん。”




「そっか。今日はもう遅いからゆっくり休も。


明日、久しぶりに神社行かない?池も見に行きたい。」





“行きたい。”



















Aさんは微笑んで居間に戻る。






俺も戻るとサヤカさんがAさんの顔を見て安心した様子やった。







「2人とも、薪焚いてきな。」

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作者名:きい | 作成日時:2021年10月17日 19時

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