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2[T.K] ページ2
「A、じゃあね！」
「かなこちゃん、バイバイ」
廊下で出会う友達にも声をかけながら、Aとおれは駐輪場へと向かった。
Aは自転車で行かない。
「これ、俺の自転車。前かごにいつもAのカバン入れてるけど。」
「いいじゃん。智洋くんはリュックだし。私は重いんだよ。」
「そしたら重いカバンも含めて自転車押してる俺の気持ち考えてや？」
そう言ってもAは意地悪な顔するだけ。
「あ、見て。」
公園のわきに咲いている四葉のクローバー。Aはそれを指さした。
「いいこと、あるかな。」
「…。」
Aは昔よりもだいぶ女性らしくなっていた。
Aの横顔はいつも綺麗で俺の心臓を跳ね上げる。
「楽しい日々が続くだけで、幸せだよね。」
Aの両親は東京出身。
だから、兵庫に住んでても標準語を喋るAは、みんなから認知されていた。
「そうやな。今が幸せならそれでええ。」
「うん。帰ろ。」
もしかしたらそれはAなりのSOSやったのかもわからへん。
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作者名：きい
| 作成日時：2021年10月17日 19時
