想ってくれるなら ページ1
ゴッ、ドゴッと音がして殴る振動が彼の背中から伝わってくる。
「マイキーくん！ダメッ…もうやめて！」
「………A、離せ」
低く冷たい声がする。
「やだ」
「オマエのこと傷付けられて、これで終わりとか許せねぇよ」
ずっと拳を奮い続ける彼の腕を掴む。
直に振動が伝わって、その感触に思わず顔が歪む。
「っ…！私、もう大丈夫だから…」
そう言葉を掛けるけれど、彼の手は止まらない。
「ねぇ、お願い。マイキーくん…それ以上はダメ！」
ぎゅっと握る腕に力を込める。
「っ、───万次郎！！！」
名前を叫ぶと、ピタリと動きが止まった。
「私の事を想ってくれるなら、………私のこと好きならやめて。…マイキーくんがいないと、やだよ………私…」
「………A…」
ゆっくり振り返ったマイキーくんが私を見る。
ハッとしたような彼の顔からは冷たく怒った表情は消えていた。
代わりに心配そうに覗き込んでくる。
「ケガしてねぇか？」
「うん…してない」
「遅くなってごめんな…」
「ううん」と首を左右に振る。
体の向きを変えて、マイキーくんが私と向き合う。
彼の手が頬に伸びてきて親指で私の目元を拭った。
「怖い思いさせたな…」
どこかシュンッとした声色に「マイキーくんのせいじゃないよ」と溢す。
「助けに来てくれて、ありがとう」
ぎこちなく笑ってみせると「当たり前だろ」と声がする。
「オマエはオレの大事な女だからな」
そう言って、マイキーくんが私をぎゅっと抱き締める。
「オイ、オマエら！いつまでイチャついてんだ？オレらのこと忘れてねーか？」
場地くんのそんな声がして、そちらを見た。
場地くんは勿論、ドラケンくんに千冬くん、パーちんくんのお友だちカップル、その他にも東京卍會の人たちが私たちを見ていた。
ニヤニヤした視線を受けて、急に恥ずかしさが込み上げてくる。
「イ、イチャついてないから！」
慌てて離れようとしたけれど、それは叶わなかった。
何故ならマイキーくんが私を抱き締めたまま放してくれないからだ。
「え、ちょっと！もう放して」
「ヤダ。最初に抱き締めてきたのAだし」
「それはマイキーくんを止めるために仕方なく…！」
「仕方なく、ねぇ…」
呟くと、ひょいっと私の事を抱えて立ち上がる。
「っ、わっ！」
急なことに思わず彼にしがみつく。
「お、降ろして！」
「ヤダ」
そんな会話をしながら、彼はみんなの元に歩いていった。
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香恋 - 月見さんの作品は義勇さんの作品から描写が上手いなぁとか、キャラが本物で自然と聞こえてくるので安心して読めます！流石です(^^)丁寧な描写とゆっくり流れていくストーリーも好きです！マイキー大好きなのでいつかまた書いて下さい♡首を長くして待ってます！ (2022年7月4日 9時) (
レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 香恋さん» 初めまして。一気読みありがとうございます！！鬼滅の作品も知って下さっていて、とても嬉しいです(≧▽≦)またマイキーをメインにして書きたいとは思っています。楽しんで読んで貰えるように頑張りますので、その時はぜひ読んでやって下さいm(_ _)m (2022年7月3日 22時) (レス) @page8 id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
香恋 - 初めまして！最近東リベにハマり、マイキーにハマってそういえば鬼滅を書いてた作者の方の作品あったなと思い出し時間も忘れて一気読みしました！とても幸せな気持ちになりました。またこんな作品待ってます♡キャラが本物で声が聞こえてくる様でした！凄いです！ (2022年7月2日 9時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 沙耶さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございます！基本的に作者がハッピーエンド好きなのでハッピーにました！！楽しんで頂けて嬉しいです(*^_^*)いつになるか分かりませんが、お話しのネタはあるのでマイキーでお話しを作ったときはよければ読んでやって下さいm(_ _)m (2022年6月21日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
沙耶(プロフ) - 東京リベンジャーズでマイキー絡み物は、結構闇深かったり、殺されるバッドエンドが多いのですが、ハッピーエンド作品で完結しているものは中々少ないので、このお話はとても読んでいて楽しかったです(´˘`＊)またそんな作品待ってます♡ (2022年6月16日 0時) (レス) id: 5943b8e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年10月3日 12時
