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168 -第8章- PRIDE ページ5

1発の銃声。
それは、絶望を告げるに十分だった。

Aが仕向けた、チェックメイトの合図。









日本中が、静まり返った気がした。
画面の中のAはピクリとも動かない。
徐々に広がる赤い、赤い水溜り。

鮫島は、倒れ伏したAの左手から強引にUSBを抜き取った。
その時、2カ所で爆発音が聞こえた。

「爆発…っ⁉」

コナンは辺りを見渡す。
1つは画面の中から、もう1つは路上に立ち尽くす己の耳が爆発音を拾った。

「安室さん…っ‼やっぱりこの辺だ‼
行こう…っ‼」

コナンが画面を最後に確認した時、既に鮫島の姿は無かった。
恐らく、爆発は鮫島とAが居た場所からだろう。
カメラを、徐々に煙が覆い隠す。

「安室さん‼早くっ‼」

動かない安室の腕をコナンは強引に引っ張った。

燃え上がる炎と煙だけを頼りに走る。

コナンは自身の横を走る安室をチラリと確認した。
安室はあれから何も喋らない。
安室が何を考えているのか、この時ばかりはコナンにさえ想像も付かなかった。

「…そんな…っ」



たどり着いたのは一軒家だった。
隣は空き地、逆サイドはマンション建設中の様で、骨組みだけが組み立てられている。

辺りは赤く染まっていた。
数分の間に急激に成長し、轟々と燃え上がる炎は、割れた窓からも吹き出している。
絶望、と呼ぶに相応しかった。
助けに向かう余地などなかった。



コナンの視界の端で、ゆらりと動いた影。
それは一歩一歩、まるで炎に吸い寄せられる様に。

「安室さん…っ⁉無茶だよ‼」

慌ててコナンは安室に駆け寄るが、見上げた安室の目に光はなかった。

「邪魔をしないでくれ…
この中に…Aが居るんだ…っ。
頼むから…」


赤く燃え上がる炎は、何者の侵入も拒んだ。

169→←ざっくりとしたまとめ+作者より



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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虎鉄(プロフ) - まみこさん» まみこ様、私こそ深夜にすみません!こちらにまで涙。一気読み+コメントする時間まで割いて下さり本当に有難うございます!松田氏なりに降谷氏とは違う道を進むのでお付き合い下されば嬉しいです。大切に書いた話なのでそう言って頂けて感無量です。 (2022年7月24日 0時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 応援してます!!本当にこの作品は神です!! (2022年7月16日 1時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - こんばんは!!真夜中にすみません💦一気読みしました!マジで感動しました!!あー、夢主ちゃん良かったね!!と、保護者のような気持ちで読んでましたねw松田さんのほうも読んでます、頑張ってくださいね!! (2022年7月16日 1時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(消えた捜査官松田ver作成中)(プロフ) - ひゆめさん» ひゆめ様、一気読みのお時間頂戴しまして……!かつコメントまで下さり本当に有難う御座います。クロサギ懐かしいですよね(^^)当時は全く意味分からんまま見てましたが笑。読んで下さってありがとうございました(^^)!2と合わせての返信で失礼します。 (2022年6月12日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 同じく一気読みしました!!クロサギ懐かしいと思いながら進めていたら凄く惹き込まれました。とても面白かったです。 (2022年6月12日 0時) (レス) @page50 id: 141a54d8d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年6月2日 0時

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