【名探偵コナン】消えた捜査官4【降谷零】

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「……Aっ‼」

降谷の脳は、目の前で何が起きたのかすぐには理解出来なかった。
しかし固まったのは一瞬で、すぐに弾かれた様に駆け出す。

先程までAが居た場所から、100m下の地面を覗き込む。
冷たい地面の上にAは居なかった。



Aの姿は、空にあった。

灯りが消えた闇夜の空を
悠然と翼を広げ飛び回る神出鬼没の魔術師(マジシャン)

Aを抱える様にして飛んでいたのは

「月下の奇術師…怪盗キッド…っ」









後にAの家は、炎が他の部屋に燃え移る前に消防隊によって消し止められた。
被害はAの部屋のみだったが、その一部屋だけほぼ全焼に近かった。
火元の詳しい特定はこれからだが、話によるとリビング中央にあった何かを中心に火は突如激しく燃え上がった様だった。

「…これだけ、偶然焼け残ったみたいです。」

本部に戻った降谷に風見はある物を差し出した。
唯一、火災の被害を免れたのはノックリストに関わる物証などでは無く、たった1枚の写真だった。

「これ…」

それはただ一点を除いて、何の変哲もないありふれたごく普通の家族写真だった。
Aの顔だけがマジックで黒く塗りつぶされた、幸せだった頃の綾瀬一家がそこに居た。









(補足)
主人公はキッドを利用して逃亡。
降谷さんが引っかかったもう１つの別の通行規制は、そのエリアの美術館へのキッドの予告によるものでした。
時計を気にしていたのはこの為です。

主人公が降谷さんの嘘というか、心ない告白の真意を見抜いたのには他にも理由があります。
「俺が警察官だとかそんな事はどうだって良い」→何よりも警察官である事に誇りを持っている降谷が、「そんな事」「どうでもいい」と言った事にまず主人公は違和感を持った訳です。

そして逆に主人公は「死んでも言わない」と嘘を突き返す。

「貴方のせいじゃない」はAの今の境遇に対してか、ノックリスト事件に関する降谷の後悔に対してか、はたまた両方か。

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