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155 -第5章 終- ページ38

降谷は走っていた。
ただ1人、あの事件の黒幕、あの日の真相にたどり着いても、それはあくまで降谷の推測にしか過ぎない。
けれど降谷は、限りなくそれが真実に近いと確信を持っていた。
もちろん桂木への疑問は残る。
しかし、それら全てを結び合わせれば、あのAが、どうして今の境遇を選んだのか、一番納得が出来たからだ。

証拠を何1つ持たない降谷の推理は、大きな権力の前では無に等しい。
あの部屋で出来る事は何も無かった。
降谷は警察庁を目指す。

突然、こちらから公安へ掛ける一方で、普段から鳴る事はあり得ない降谷の携帯が着信を知らせる。

「誰だ…っ⁉」

降谷は足を止めないまま、表示を確認する。
そこには、見覚えのない11桁の番号が表示されていた。
考える暇はなく、通話ボタンを押した。

「……」

耳に当てた端末はその先の声を拾わない。

「…誰だっ⁉」

「もしもし?喫茶ポアロのお兄ちゃん?」

「……っ‼」

降谷の足は思わず止まった。
続けられた言葉に、降谷の額には冷や汗が浮かぶ。

「あ、降谷零君って言った方が良い?」

(こいつ、安室透が降谷零だと知っている…っ⁉)

降谷は何も答えなかった。
いや、答えられなかった。
そんな事には耳も貸さず、電話口の男は話を続ける。

「俺にはもうあいつを繋ぎ止める事は出来ん。
後は兄ちゃん、自分でなんとかしな。」

「…お前…まさか桂木、か?」

一方的に話し終えた男は、降谷の問いに答える事なく、その電話はプツリと切れた。

心臓がドクドクと脈を打っている。

今は一刻の時も争う。
再び走り出そうと、端末をポケットにしまおうとしたその時、再びそれは鳴り響いた。

ー第5章 終ー

第5章 補足&登場人物(追加)→←154



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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虎鉄(DC一時お休み中)(プロフ) - スカイさん» スカイ様、返信遅れて申し訳ありません!コメント下さり有り難う御座います(^^)スカイ様の涙腺を刺激出来たなら本望です笑。御礼を言うのはこちらの方です。短くはないこの作品を読んで下さり、そして感想まで下さり本当にありがとうございました!!感謝です。 (2020年6月20日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - すごく感動しました。涙が溢れてきて胸がキューとなってこんな素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます (2020年6月13日 2時) (レス) id: 8bcf366f5d (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - しろさん» なんと嬉しいお言葉でしょうか。自己満足の小説に、その様なコメント頂けて嬉しいと感謝の他に言葉が見つかりません。落胆されぬ様にこれからも執筆させて頂きます!これからもよろしくお願いします。ありがとうございます! (2018年5月30日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 初めての感覚です。何か映画や連ドラを見てる気分でした。心の底から応援してます!!こんなに引き込まれるのは初めてです!!!! (2018年5月30日 18時) (レス) id: fe2831d1b4 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - KAZUKIさん» コメントありがとうございます!身に余るお言葉…そう言って頂けて本当に嬉しいです。10枚以上書き連ねたプロットが報われる様な気がします。話が重く複雑なので悩む事もありましたが、書いてきて良かったです。もうすぐ佳境です、引き続きよろしくお願い致します★ (2018年5月30日 0時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年5月20日 15時

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