【名探偵コナン】消えた捜査官4【降谷零】

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[降谷さん…、綾瀬Aの住居に現着したんですが…]
[家が…燃えています…っ‼]

無線の奥は、混乱を極めていた。

「落ち着けっ‼火の勢いは…っ⁉」

慌てて、資料を確認する。
Aが大家を務めるアパートは、1階部分が車庫と物置になっていて居住する部屋は階段を登った2階部分にある。
現在は大家であるAと、他に入居者が3名。

[燃えているのは…今の所、綾瀬Aの住居のみです…っ‼
先程こちらに向かう途中、車の中からですが何かが破裂する音が聞こえました。
火の回り方が余りにも急激というか、不自然というか…、断定は出来ませんが、爆発物が仕掛けられていた可能性があります…っ‼]

「今すぐ住民の避難を優先させろ…っ‼」

時刻は19時だ。
職種にもよるが、大概の人間は家に居る可能性が高かった。
無線の奥では喧騒が続く。

「降谷さん…、どういう事でしょうか。
まさか…我々が来るのを分かっていて、証拠隠滅を…？」

降谷はすぐに言葉を返す事は出来なかった。
降谷の頭にもそれは１つの可能性としてすぐに浮かんでいた。

「まさか、この混乱に乗じて逃げるつもりじゃないですよね…」

降谷はAを信じたい気持ちよりも先に、何か違和感を覚えた。



悪友とも呼べる親友2人を爆弾で亡くしたAが、一般人をも巻き込み兼ねないこの状況で、果たして爆発物を使用するだろうか？



無線の奥で聞こえていたサイレンの音が大きくなる。
先程から少し間をあけて入った無線では、入居者の無事が伝えられた。

[これ以上先は危険ですので下がってください‼]

既に現着している別の消防隊が、叫んでいるのが無線越しに聞こえてくる。
そのまま、何かAについて尋ねようとしたその時、無線の奥がどよめいた。

[ふ、降谷さん‼]

「どうした⁉」

[あ…綾瀬Aが、現れました…っ]
[おいおい、嘘だろ…っ⁉]

[おい…っ‼そこの君‼下がって…っ‼おい‼]

部下の戸惑いと、消防士の怒号が交錯する。

「何があった⁉」

[綾瀬Aが…火の…家の中に…っ‼]

火の勢いは留まる事を知らず
炎は高く、赤く燃え上がる
まるで警告を示すかのように

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