【名探偵コナン】消えた捜査官3【降谷零】

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あの男の言葉を借りるのは癪だが
俺もまた
選んだこの道が正しいかなんて分からない。
この選択が間違っていないと祈るばかりだ。






いつかの推測通り、Aの住居はやはり米花町内にあった。
驚きだったのは、偽名ではあるが「黒崎A」としてそのアパートの大家として生活していた事だった。



ー19:00ー

降谷は、警察庁に居た。
ノックと疑われたあの日から1ヶ月、組織からの信用も取り戻し監視も外された降谷だが、今回の作戦で降谷が現場に赴く事に最後まで意を唱えたのは、意外にも普段は自分に最も忠実な風見だった。
その風見は、降谷の横に立ち、念入りに通信機の受信状態をチェックしている。

「降谷さん…、このままここで指示を続けるおつもりですか」

「ああ、何か問題でもあるか？」

「…いえ。」

風見から見た降谷は驚くほど冷静に見えた。
この時の降谷は、冷静というよりは、冷酷にならなければ自分を保つ事は出来なかったのかもしれない。
降谷の声に抑揚はなく、何の感情も無いままただ吐き出されているだけに近かった。

ジジ、と無線に動きがあった。
降谷と風見は、何も言わずにワイヤレスのヘッドセットを装着し、無線の向こうの動きを待った。

この件を上に報告するか、降谷は最後の最後まで悩んだ。
矛盾しているのも、甘いと思われるのも承知の上で、降谷は結局上に報告する事は出来なかった。
その為、この作戦に人員を多く割く事はできず、今向かって居るのは少数精鋭、降谷が信頼する部下数人だけだった。

再びジジ、と無線が入る。
無線の奥が、遠巻きではあるが何やら騒がしく感じられ降谷と風見に緊張が走る。

[聞こえますか、降谷さん]

「ああ、問題なく聞こえてる。」

[降谷さん…]
[どうなってるんだ…]

同時に2つ無線から聞こえてきたのは、呆気に取られた様な部下達の声だった。

「どうした」

どこからか小さくパチパチという音が聞こえる。

[降谷さん…、綾瀬Aの住居に現着したんですが…]

[家が…燃えています…っ‼]



鳴り響くサイレンは
無線の奥からなのか
己の頭の中からか。









(後書き)
パート3もこれで終わりとなり、4に移行致します。
感謝しかありません！
ここまでお付き合い下さり、本当にありがとうございました(*´˘`*)♡
パート4でお会い出来る事を切に願うばかりです(u_u)


話が重たい…。
いや、これからずっと重たい。
いや、そもそも軽かった事なんて無い。

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