【名探偵コナン】消えた捜査官3【降谷零】

番外編 Chocolate ページ5

(注)本編のストーリーや設定、時間軸を無視したif番外編です。
あまりに、本編で2人がすれ違ってるのが申し訳ないので…(u_u)
会話文のみではないですが、かなりざっくりです。







とある夜、降谷は立ち寄ったコンビニで見覚えのある後ろ姿を見つけた。
着ている物が、物だったのでおおよそ詐欺(しごと)の帰りなんだろうと見当はついた。
近寄ると、女の持つカゴの中にはカロリーメイトと野菜ジュースが1つずつ。

何を思ったか降谷は、彼女に気付かれぬ様に棚から商品を2つ手に取る。

気配を悟られない様に降谷は女の横に並ぶと、カゴの中から野菜ジュースとカロリーメイトをひょいと取り上げる。

「…っ⁉」

「飯は食え。」

取り上げた2つの代わりに、降谷はカゴの中にサラダとおにぎりをポンと放り込んだ。

「今から…もう夜の10時半なんだけど」

「その言葉、そっくりそのままお前に返すよ。
こんな時間に出歩くな、頼むから。」

「……」









Aがレジで会計を済ませ、ふとガラス越しに外を見た時、先程は降っていなかった雨が、少しずつ強くなりながら地面を濡らしていた。

もう一度会計に並ぶのが億劫だったAは、仕方なしにそのまま入り口へ向かう。

外へ歩き出そうとしたAの視界が白くなった。

「まさかそのまま帰ろうとするとは思わなかった…、これ使え。」

Aに少し遅れて会計を終わらせた降谷が、Aの背後から傘をAの頭上にさしたのだ。

「…コンビニで傘買うと高いのに」

「俺より稼いでる奴が何言ってる」

「…ありがとう。」

「ん。」

「…じゃあ、」

「その着物、似合ってる…すごく。」

「……」

「っていうか、そもそもなんで着物なんだ？」

「…ちょっと、インチキ霊能者と対決してきた。」

「…は？」








「本当は、俺が送っていきたい所だけど…また逃げられるのは流石に堪えるからここで引くよ。」

「…安室さん、顔がお疲れの様ですね。」

袋からガサガサと何かを取り出したAはそれを降谷に押し付け、そのまま降谷を置き去りに歩き出した。
白い傘が遠ざかる。





残された降谷の手には、昔Aが好きじゃないと言っていた栄養ドリンクと、なんの変哲もないチョコレート。

(…反則だろ)

(…本当は、俺が作ってやりたいんだけどな)

口に含んだチョコレートは、甘さだけを残してすぐに溶けて消えた。






(後書き)
あれ？甘くない。
降谷さんはビニール傘ではなく、綺麗な白い傘を買う。

番外編 若き警察官達の未来01 ※警察学校編(イニシャル表記追加)→←これまでのおさらい&登場人物設定 追加

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