7話【白鷺】 ページ8
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トーマの連れてきたお嬢と呼ばれる神里家の者は一言で言うと眉目秀麗と言うべきなのだろう。
ほんの少し鋭い目元にしなやかになびく高結びの白い髪、優しく笑う口元には慈愛が込められているようにも見える。
「お嬢、この子がさっき話していた八重宮司様の遣いの麗だ」
「お初にお目にかかります。神里綾華と申します」
『こんにちは、神里様。私は麗。
八重宮司様からの書類を届けに参りました』
麗が綾華に書類を渡すと綾華はすぐにそれに目を通し、「はい、確認しました。私が後ほど天領奉行の方に出しておきますね」と言った。
『ありがとうございます。
……そういえば、さっきトーマくんは若って言っていたけど綾華ちゃんにはお兄様がいるの？』
「はい。今の神里家は私とお兄様の2人です」
『2人ってことは……ごめんなさい。
不躾なこと聞いちゃったね』
「謝らないでください。それにしてもトーマのことをくんづけで呼ぶ方は珍しいですね…ふふ」
トーマくんという呼び名に少し綾華ははにかむとハッとしたようにキリリとした顔に戻る。
麗は綾華の顔の切り替えを不思議に思ったがとやかくは言わなかった。
『こんなにしっかりしている子が社奉行を担うならきっと稲妻の未来も少しは安泰かな』
「それがそうともいかないんだ」
『え？どういうこと？』
「麗さんは目狩り令のことをご存知でしょうか？」
『あぁ…うん…そうだね…』
先程の神子や万葉との会話を思い出し麗は少し顔を暗くする。
万葉の言っていた話ではほかの奉行所からも被害で出ているとも聞いた。
「私たちはまだ被害にあっておりませんが…他の奉行所の方では押収された方が数名いると聞きました。
決して奉行所だからと言って安全ではない為今稲妻の情勢は不安定な状態です」
「麗さんは神の目をお持ちで？」と綾華に聞かれると麗は『持ってないよ』とだけ答える。
『綾華ちゃんとトーマくんは…見たところ授けられたんだね。私も安全じゃないこと、肝に銘じるよ。2人も気をつけてね』
麗は『神社に戻るよ。またね』と言うと2人に背を向け屋敷から去った。
麗のいなくなった屋敷の中で綾華はふと疑問に思った。
「神の目を持ってない麗さんが安全ではない…？」
「どういうことでしょう…？」という綾華の問いにトーマは首を傾げその答えを知る者はいなかった。
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます！感想書いていただいて嬉しいです！伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください！ (2022年7月10日 23時) (
レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します！ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです！続編がますます楽しみになる作品ですね､､更新待ってます！ (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空華 | 作成日時：2022年7月4日 22時
