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16話【若】 ページ17

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宵宮と仲良くなってから数週間が経ち、麗の顔が大分花見坂に知られ始めた頃、鳴神大社に珍しい人物が現れた。

その日、麗は神子に神社の手伝いを任され境内を掃除している所でその青年を見ると何となく誰かに似ているな、と既視感を覚えた。

薄水色の髪に柔らかい目元、特徴的なホクロが口元に携わっている青年をじっと見つめていると青年は麗の視線に気づいたのかこちらを向き、微笑んだ。

意味が分からないまま麗は笑い返し、どこかで会っただろうかと思考を巡らせていると青年が口を開いた。





「貴方が綾華の言っていた麗さんかな?」

『え、はい?』






突然、青年の口から神里綾華の名前が出て麗は首を傾げる。

そういえばこの人綾華ちゃんに似ているな、綾華ちゃん、綾華ちゃんといえば…とまた思考を巡らせている麗はあるひとつの結論にたどり着いた。





『まさか……君は綾華ちゃんのお兄さん!?』

「えぇ、兄の神里綾人と申します」





この人が社奉行の現当主…とあまりの若さに驚きながらも麗は綾人に対してお辞儀をする。







『こんにちは、社奉行様。麗です。
相談所と鳴神大社の仕事をしています』

「知っていますよ。
この前は社奉行の手伝いもしてくれましたよね?
あの時はありがとうございます」

『そんな!あれはたまたまトーマくんが誘ってくれただけなんで大層なことはしてない…はず』





何したっけな…と思い出そうとする麗を見ると綾人はまた少し微笑みあることを問うた。





「話は逸れてしまいますが…あなたの依頼のひとつに偽の神の目の製造はありますでしょうか」

『え"』

「いえ、これでは誤魔化されてしまいますね。
あなたは偽の神の目の製造を手伝っている…そうですよね?」

『え、えぇと……』





まずい、非常にまずい、麗の脳が緊急信号を出し彼女はすぐさま誤魔化そうとしたが綾人の発言によって妨害され頭を悩ます。

神子が「あの若造は癪に障る。決して同族嫌悪ではない」と言っていたが確かに神子が苦手そうなタイプだとも思う。





「……沈黙は肯定、ということでいいですか?」

『……私が肯定したら将軍様に伝えちゃうんですか?』

「どうしてです?」


『正直、私は今の将軍様の政策は納得がいきません。
彼女は臣民の夢を守り世に泰平をもたらすことを約束した永遠の神。
そんな彼女が臣民の夢を奪うようなこと、する筈がない』

17話【社奉行】→←15話【長野原】



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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます!感想書いていただいて嬉しいです!伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください! (2022年7月10日 23時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します!ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです!続編がますます楽しみになる作品ですね、、更新待ってます! (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空華 | 作成日時:2022年7月4日 22時

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