12話【和解?】 ページ13
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『み"こ〜、ごわがっだよぉぉぉ…』
「なんじゃいきなり。汝らしくないな」
涙でぐしゃぐしゃな麗の顔を神子は近くにあった布巾で涙を拭く。
「で?何がこわかったんじゃ?
怖いもの知らずの汝が珍しい」
『天領奉行の…娑羅ちゃん…に…バレるとこだった…』
「なに?九条娑羅にか?」
麗がこくんと頷くと神子は声を出して笑いだした。
「フッ、アッハハハ!汝、あの天狗娘にバレそうになったのか!」
『わ、笑わないでよ!口が滑って笹百合の名前呼んじゃったからすごく焦ったんだよ!?』
『神子のバカ〜!』と言いながらポカポカと麗は神子を叩くが身長は神子の方が高い為余裕で止められてしまった。
「じゃが結果的には切り抜けたんじゃろう?
汝の手に書類と推薦状がないのが証拠じゃ」
『うん…まぁね』と呟く麗をまた神子は笑った。
そして数日後、九条娑羅が鳴神大社にやってきた。
「麗はいるか」
『は、はい…』
「この前の相談所の件、許可が通った。
これが許可証だ」
『あ、ありがとう……』
娑羅との一件がまだ怖いのか麗は堅くなりつつも許可証を受け取る。
その姿を見て神子はクスクスと笑っている。
「お前が建てる相談所というのは普段はどのような活動をするんだ?」
『そ、そうだね…基本的には書類にも書いてあった通りなんでも屋さんかな。
探偵とは違って家のお掃除から小説の代行まで多種多様な相談に乗るって感じかな』
「ふむ、確かに将軍様の障害になることはないな。頼むことは少ないだろうが天領奉行もお前に人力要請する可能性がある。
その時はよろしく頼む」
『わかった』
麗は思った。
あれ、娑羅ちゃん、将軍様が好き?と。
娑羅の態度からして雷電将軍のことを敬愛していることが目に見えることがわかった麗は親近感が湧いた。
思ってみれば彼女は笹百合と似ている面を付けたただの天領奉行の役人。
何も恐れることなんてそもそもなかったのだ。
和解出来るかもしれない、と思い麗は口を開く。
『困ったことがあったらいつでも言ってね。
娑羅ちゃん』
「……」
娑羅は目を少し見開いた後、フイッとそっぽを向き大社を後にした。
静かになった境内にぽつんと残された麗は神子に聞いた。
『……私、嫌われてる?』
「さぁ?わからぬなぁ」
『お願い神子、そこは嫌われてないぞって言って』
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます!感想書いていただいて嬉しいです!伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください! (2022年7月10日 23時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します!ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです!続編がますます楽しみになる作品ですね、、更新待ってます! (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空華 | 作成日時:2022年7月4日 22時