【名探偵コナン】笑って、マイヒーロー【紺.青.の.拳】

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「と言うか、なんでAが知ってるんだ？」
『それは私が此処へ居る理由にも繋がるんだけどね。私も呼ばれたんだ！』
　
　詳しく言えば、今回の空手大会の主催者にあたるジョンハン・チェン氏に招待されたことをきっかけに知ることになった人物であった。
　
『今回の目玉である“紺青の拳”は、発見されている中でも世界最大のブルーサファイアだからね！ “BLISS.F”として招待されたの』
「なるほどな。“BLISS.F”の名があれば箔が付くってことか」
『恐らくそんな感じ！』
　
　これでもシンガポールに前乗りして色々見回ったからね！ 最近の大きいニュースは耳に入れていたのだ。マーライオンが赤い水を吹き出すとか割と印象に残る事件しかなかったので、嫌でも刷り込まれたと言っていい。
　
「そのシェリリン・タンさんが亡くなった以上、出場が取りやめられるということです」
　
　少し悲しそうに微笑んだ京極さん。どうやら彼は宝石付きのベルトよりも、空手家の猛者たちとの試合を楽しみにしていたようだった。
　そんな彼の表情に気付いた園子は治郎吉さんへ電話をかけ始めた。
　……うん、これで一件落着って感じだよね。
　
『京極さんのスポンサーに園子がなったら最強の組み合わせだね！ う〜っ！ 試合が待ち遠しいッ！！ 私、ホテルまで走っていく！』
「あ、おい！ A！」
　
　園子と京極さんはお似合いのカップルって感じだ！ 彼と会って時間は経っていないけれど、意思の定まった真っ直ぐな瞳や園子への愛情が感じられた。
　蘭だってやっとこさ新一と付き合ったようだし、少し……ほんの少し羨ましいと思ってしまうのだ。
　
『(今回も会えるかもって、ちょっぴり期待したんだけどな)』
　
　脳裏に浮かんだ彼の姿を打ち消すように、私は速度を上げるのだった。
　
　

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