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Side.A
『……ふあ、よく寝た』
けたたましく鳴り響くケータイのアラームをオフにして、のろのろとベッドから起き上がる。
今日はチェンさん主催の空手大会が最終日を迎える。それはつまり、私や蘭たちの旅行も最終日を迎えることに繋がるのだ。
窓へのカーテンを開ければ、此処数日で見慣れた街並みを見下ろすことが出来る。観光地も沢山あるし食べ物も美味しいシンガポールを離れることを寂しいと感じてしまう。
景色を目に焼き付けつつ頭に手を伸ばすと、昨日キッドに貰ったナイトキャップがある。白地のシルク素材のそれは控えめな青色のリボンが添えられていて、見るだけでも彼を思い出してしまうのだ。
『(困らせる天才は貴方のほうじゃない)』
いつだって手をさし伸ばしてくれる貴方に何度救われたことだろうか。
彼が触れた目元に指先を添わせると、まだほんのりとぬくもりが残されているようで気恥ずかしい。夢見心地だと言われてしまいそうなので、考えを切り替えるためにも顔を洗おうと洗面所へ足を運ぶのであった。
『……あれ、アーサーくん？』
簡単に準備を済ませてから部屋の扉を潜れば、壁に背を預けた状態でアーサーくんが居ることに気付いた。蘭たちの部屋と間違える……訳はないだろうし、私に用事でもあるのだろうか？
アーサーくんは私を見つけるなり背中を浮かせて駆け足で近寄ってきた。私を見上げる顔は何かを探るようで、ますます混乱してしまう。
今の彼は事件の真相を探る新一のようであった。
「おはようございます！」
『おはよう。こんな所でどうしたの？ もしかして私を待ってた？』
「そ、そうなんだ！ 昨日、なんだか元気なさそうだったから」
困ったように眉を下げつつ首後ろを掻く姿はとても小学生くらいの子どもに見えない反応だ。大人びた仕草にも驚くが、私の様子が変だったから早朝に顔を見に来てくれたという気遣いにも驚かされる。彼は本当に子どもなのだろうか。そんな馬鹿げた疑問が脳裏を過った。
『確かに昨日はあまり元気がなかったのかもしれないけど、大丈夫だよ！ 心配ありがとうね』
「えへへっ、A姉ちゃんには笑顔が一番似合うよ！」
『ほんと？ 嬉しいなあ』
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美紀 - 初めましてコナンの映画大好きなので最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年7月4日 12時) (
レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - shoko0619さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。そういっていただけるとうれしいです^^ 完結に向けて続編をつくりましたので、引き続きそちらで読んでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 冷やし中華さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。完結できるように書き進めようと思っていますので、またお暇つぶしに程度に来ていただければと思います (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» お返事遅くなりました！ ありがとうございます。願望の塊ですが少しでも楽しんでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 神崎さんの小説読ませていただいてます。もう最高すぎます。キッドとヒロインもうドキドキで見てます。もう更新はされないのですか？ (2020年4月20日 13時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 | 作成日時：2019年4月19日 22時
