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 彼は事件ホイホイかなにかだろうか。本人にもその自覚があるのか、新一は苦笑いを浮かべてみせたのだ。
 
「そういえばさ」
『んー?』
「なんでおめーは怪盗キッドのことが好きなんだ?」
 
 まずは雑貨コーナーだ。
 しゃがみ込んでお土産コーナーを物色していれば、歯切れの悪い声が聞こえてくる。その内容は新一が普段は口にしないだろう好敵手の名で、私は動かしていた手を止めて彼を見るのだった。
 
『私のヒーローだから』
「え?」
『新一とまだ会う前だったかなー? 生まれてすぐの数年は、両親の仕事の都合で海外に住んでたんだ』
 
 外で遊ぶことが許されなかった閉鎖的な日々。毎日自分しか居ない部屋の中で、失敗作であった石ころを転がして遊ぶしかなかった日々。
 そんな毎日に嫌気がさした頃、4歳の誕生日を迎えた私の前に彼が現れたのだ。
 
『真っ白の服を着たその人は、退屈していた私に様々なことを教えてくれたの』
 
 外の面白いことを教えてくれた。マジックだってみさせてもらった。
 彼が雄弁に語る世界がどれだけ価値のある宝石よりも輝いて見えて、私は夢中になったのだ。
 
『(原因は分からないけど、今の怪盗キッドが“あの人”じゃないことはなんとなく感じてる。昔の怪盗キッドが私の世界を輝かせてくれたきっかけだとしたら、)』
 
 今の怪盗キッドは――、
 
『あっ、これがいい!』
 
 立ち止まっている新一を放って私が手に取ったのはストラップだ。細かい紐を編んだストラップの付け根には金メッキだろうクローバーのチャームが付いていた。
 
「へー、なんでまたそれにしたんだ?」
『うーん、クローバーが好きなんだけどね? 一番の理由とすれば、快斗には幸せに笑っててほしいの』
「っ!」
 
 彼の笑顔は周りの人を幸せにする。
 これからも彼が笑顔で居れるように、魔除けとしてプレゼントするのはどうだろうか。
 我ながら素晴らしい案だと自画自賛しつつ、新一にも意見を仰ごうと振り返るが、背後に居ただろう彼はいつの間にか姿を消していた。
 
『あれ? 新一がいない。……トイレ?』
 
 
 

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設定タグ:名探偵コナン , 怪盗キッド , 紺青の拳   
作品ジャンル:アニメ
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美紀 - 初めましてコナンの映画大好きなので最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年7月4日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - shoko0619さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。そういっていただけるとうれしいです^^ 完結に向けて続編をつくりましたので、引き続きそちらで読んでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 冷やし中華さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。完結できるように書き進めようと思っていますので、またお暇つぶしに程度に来ていただければと思います (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» お返事遅くなりました! ありがとうございます。願望の塊ですが少しでも楽しんでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 神崎さんの小説読ませていただいてます。もう最高すぎます。キッドとヒロインもうドキドキで見てます。もう更新はされないのですか? (2020年4月20日 13時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎 | 作成日時:2019年4月19日 22時

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