【名探偵コナン】笑って、マイヒーロー【紺.青.の.拳】

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『今度日本に帰ったらお土産渡すね。なにがいいか考え、って、あーっ！！！』
［なんだ、どうしたんだよA？！ (なんだ、事件にでも巻き込まれたのか！？)］
　
　画面越しに慌てた快斗の声が聞こえる。しかし、快斗に返事出来る余裕がなくスーツケースをひっくり返すのだ。
　
『ない、ないっ、なーいっ！』
［どうし］
『ナイトキャップ、忘れたみたい』
［……は？］
　
　快斗の間抜けな声が聞こえきたが、私からすれば大・大・大問題だったりする。
　
『快斗は知らないかもしれないけどね、私はナイトキャップがないと寝れないの！ 髪の毛もぐしゃぐしゃになるし、』
　
　腰まで伸びた髪の毛は周りの人が褒めてくれるから仕方なく伸ばしているだけで、手入れが面倒なので短くしたいのが本音だ。じゃじゃ馬なこの髪を宥めるためには帽子が必要不可欠だった。
　
［あー、(そういえばいつも寝る時被ってたな)］
『ううっ、どうしよう。あれがないと一睡も出来ないのに、』
　
　今回の旅行でお付きの人は居ない。今から買いにくにしてもどのお店で売っているかも不明だし、買ったナイトキャップで寝つけるかは別問題となってくる。
　どうするべきかと頭を悩ませた時、一つの妙案を思いつくのだ。
　
『……そうだ！ 快斗は私の家知ってたよね？ ロックナンバーを言うから、速達で送ってほしい。えっと番号は、』
［ストップストップ！ それって軽々しく他人に明かしたらダメなヤツだから］
　
　……うん。なんとなく察した。
　いまこの瞬間に、新一のようなお説教コースに突入したことを。
　“そもそも危機感が〜”なんてよくある出だしで快斗が話し始めた時、タイミングよく扉をノックする音が聞こえたのだ。
　
「失礼します。Aお嬢さま宛てにお電話が来ています」
『分かりました、すぐ行きます。……ってことで、お説教はお土産でチャラにしてね(はーと)』
［あ、おい！ A］
　
　快斗の制止を聞かないまま終話ボタンを押し、ボーイに促されるまま電話の子機を受け取る。
　
『(今日は電話が多いなー)』
　
　
　

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